2014年05月03日

林寛之先生の「アナフィラキシーショック」講義のメモ



本記事のURL
http://jemta.org/index_140503.html
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こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

■1.初めに
2012年12月20日に東京都調布市立富士見台小学校で、食物アレルギーを持つ5年生の女児
Sさんが、給食の配膳後に担任から「食べる人いない?」と案内されたおかわりのチヂミ
を、チーズ入りとは知らずに誤って食べて、アナフィラキーショックをおこし、本人が、
「先生、気持ちが悪い」と訴えた14分後に、校長がエピペンを打ちましたが、結局、搬
送先の病院で亡くなるという事故がありました。未来のあるちいさなお子さんが亡くなっ
たことを知った時は何故そのなったのかと非常にショックを受けたことを覚えています。
http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1363069358235/

これまで、このヘルスケア通信でも、エピペンに関わる記事を投稿してきました。
・文科省、児童らへのアレルギー対応ガイドライン(教職員のエピペン使用)公表
  http://jemta.org/index_080426.html
・仮説:エピペンをズボンの上から打つ時はポケットの中身をだしてから
  http://jemta.org/index_100312.html
・『給食でのアレルギー事故から どう守る』 米国での誤食防止・エピペン最新事情
  http://jemta.org/index_130603.html

アメリカでは労働省のOSHAが一定規模以上の企業には一定の安全管理担当者を置き、担当
者にAHAのファーストエイド講習を受けることを義務付けており、ファーストエイドコース
の中でエピペンの使用を含むアレルギーの応急対応もできるように、制度化されています。
ファーストエイドコースでは講義とエピペントレーナーを使った実技訓練をしています。
日本では本人が打てない時に、処方された本人や家族以外にも、学校や幼稚園の職員が代
わって打つことは、反復継続の意思がないことから、医師法には反しないとの解釈が出さ
れ、エピペンの研修を受け、訓練されている職員もおられます。救急救命士も救急救命処
置範囲の改正により、処方された本人に代わって打つことができるようになっています。
尚、処方する側の医師は PfizerPROのHPなどから、エピペン処方の講習と登録をすれば処
方できます。歯科医の先生方は患者さんに処方することはできませんが、同様の講習と登
録をすれば、クリニックにエピペンを常備でき、局所麻酔時のアナフィラキーショック等
に対応できます。
米国のファーストエイドでは、医療機器や薬は使わないことが前提ですがAED とエピペン
とアスピリン(急性冠症候群(ACS)時)の3つだけは別です。BLSやACLSだけでは緊急時に人
を救うことができません。心停止になる前のファーストエイド(応急手当)が必要です。
(AHA ファーストエイドコース http://jemta.org/fa.html

厚労省の人口動態統計によると日本のアナフィラキシーによる1年あたりの平均死亡者は
薬物=27人/年、蜂毒=17人、食物=5人、血清=0.5人、不明=10人(平成18〜23年)であり、
薬物によるものが最も多いです。死亡せずに治癒した人は、年間5000〜6000人です。
又、アレルゲンによる心停止までの平均時間(中央値)は、
薬物=5分、蜂毒=15分、食物=30分となっています。
緊急時に落ち着いて対処するには、事前に、アナフィラキシーのことをよく理解しておく
ことが必要です。


■2.林寛之先生の「アナフィラキシーショック」講義のメモ
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CareNet>連載企画>CareneTVチャンネル>名作チャンネル(無料視聴)
 Dr.林の笑劇的救急問答 [Season1]
 第3回 落としアナいっぱい!アナフィラキシーショック
 http://www.carenet.com/report/carenetvch/carenetv_ch2.html
 (視聴するには、無料の会員登録が必要です。)

本投稿は、福井県立病院 救命救急センター 林寛之先生の講義(研修医向け)のメモです
[☆尚、本メモは一部加筆しています。]
尚、林先生のDVDは購入も可能。(今回の分は救急問答7<上巻>にも収録されています)
https://www.carenet.com/fullsearch?type=dvd&sort=f&bt=&kw=Dr.%E6%9E%97
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■アナフィラキシーの語源
ギリシャ語のana(反対 against)+phylax(保護 protect)
体の免疫状態が保護できない状態にある。

Anaphylaxy vs Anaphylactoid reaction
アナフィラキシーと類アナフィラキシー反応

アナフィラキシー:
抗原と肥満細胞固定抗体が主にIgEと結合して開始される。
IgEを介して、IgEにくっついて、肥満細胞から、Histamine(ヒスタミン),ECF-A,HMW-NCF,
tryptase,kallikrein,PAF,arachidonic acid metabolites,prostaglandin D2,adenosine
などが出る。

[☆加筆]
■肥満細胞:
肥満細胞(ひまんさいぼう)は哺乳類の粘膜下組織や結合組織等に存在する造血幹細胞由来
の細胞。ランゲルハンス細胞と共に炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持
つ。この肥満という名称は、“肥満”とは関係が無く、膨れた様が肥満を想起させるので
つけられた。顆粒細胞(mast cell:マスト細胞)とも呼ばれる。
[☆]

Anaphylactoid reaction:
IgEを介さずに開始される反応
IgEを介さずに直接、肥満細胞(粘膜下組織や結合組織等に存在する造血幹細胞由来の細胞)
や好塩基球(白血球の一種。血液中に極少量含まれている。大型の顆粒をもつもの)
Anaphylactoid reactionで有名なものは、造影剤によるショック。

■アナフィラキシーの原因
・食べ物、ピーナッツ、魚介類、卵、果物、穀類、そば
・蜂、蛇、蟻(あり)などの毒
・薬剤、ペニシリン、NSAIDs、抗癌剤、プロタミン、局所麻酔
・環境因子:ハウスダスト、花粉
・まむし抗毒素
・ラテックス
・その他:寒冷、温熱、光

■類アナフィラキシー反応の原因
・薬剤:麻薬、アリチル酸、NSAIDs
・放射線検査用造影剤
・プロタミン
・運動

Rusznak C, et al,Anaphylaxis and anaphyiactoid reactions.
Postgraduate Med 2002,111(5) 101-114
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12040857

日本はピーナッツアレルギーは少ない。外国の場合は、小さい時からピーナッツバターを
塗って使っているので多い。日本はそばアレルギーは結構多い。修学旅行で信州に行って
蕎麦屋の前でふーっと倒れる例もある。じゃがいもみたいに顔が腫れあがって、毛穴がぶ
つぶつと引っ込んでしまう腫れ方をする例など。医療従事者はスタンダードプリコーショ
ンで手袋をしているので、ラテックスアレルギーが増えている。アナフィラキシーと
類アナフィラキシー反応は治療は同じ。

[☆加筆 ■ヒスタミン(C5H9N3):]
普段は細胞内の顆粒に貯蔵されており、細胞表面の抗体に抗原が結合すると細胞外に放出
される。血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用
があり、アレルギー反応や炎症の発現に介在物質として働く。
[☆]

ヒスタミンの受容体(受容体は3つある)
・H1 血管透過性↑、平滑筋収縮、PG↑
・H2 血管透過性↑、胃酸分泌↑、ヒスタミン分泌↑、サプレッサーリンパ球刺激
・H3 中枢神経、末梢神経伝達物質抑制、ヒスタミン遊離抑制
普段使う抗ヒスタミン剤はH1ブロッカー、胃潰瘍に使うのはH2ブロッカー、抗ヒスタミン
剤を飲むとと眠くなるのはH3の作用。


■アナフィラキシーでどうして死ぬのか?
救急のABC
・喉頭浮腫 Airway (気道がふさがる
・呼吸不全 Breathing (喘息、換気ができない
・ショック shoCk   (血管が拡がって、水が血管から出てて行く。distributive shock
           血液分布異常性ショック。循環が悪くなる)
上記の3つで死ぬ。ということは、「先生、すいません。蕁麻疹です」と言ってきた場合
に、じんましんの治療だけするのではダメで、皮膚の血管だけではなく、中の血管も腫れ
ているのかどうかを調べるのが大事。喉の血管が腫れてつまらないか、肺の血管が腫れあ
がって気管の浮腫ができて息ができなくならないか、全身の血管が拡がってショックにな
らないか。

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[☆加筆 喉頭浮腫]
[咽頭(いんとう)上咽頭 鼻の奥でのどの上。口から直接見えない
[       中咽頭 口をあけた時に見える場所。扁桃腺、のどちんこの向こうが後壁
[       下咽頭 口から直接見えない。のど仏の後ろ側。食堂入口。

[喉頭(こうとう)咽頭と気管の間の部分
[       咽喉から気管に至る部分。中ほどに声帯がある。
http://www.raijin.com/kenko-tsushin/kenko00170jp1.html

[喉頭浮腫(こうとうふしゅ)
[「喉頭浮腫」は、いわゆる「のどぼとけ」に相当する部位にあたる喉頭の内部の粘膜がはれ
[       呼吸が障害される病態であり、医薬品によって引き起こされることがあり
[       ます。喉頭浮腫は咽頭炎や扁桃腺炎など、のどの炎症に続発しやすく、こ
[       れらの症状を併せ持ちます。
[咽頭と喉頭は、上気道に属します。

[PALSコースで、息を吸うとき(吸気)に喘鳴(ぜいめい)が聞こえるのは、鼻から上気道まで
[の間に狭窄部位があるため、息を吐くとき(呼気)に喘鳴(ぜいめい)が聞こえるのは
[下気道の圧迫や狭窄があるためと習うと思います。その理由は、吸気では、上気道内が陰
[圧になるので狭窄するが、下気道は胸腔内圧が陰圧のため広がる。呼気ではその逆で、上
[気道内は陽圧になるので広がるが、下気道は肺の弾性力によって狭窄するためです。
http://med.atsuhiro-me.net/2013/06/blog-post_16.html
[林先生は、CASETの寸劇で、
[A初めに、患者さんに息がつらくないかを聞かれた後、口の中(口蓋垂? )をペンライト
[ をあてて、息を吸わせて、診ておられました。
[B次に聴診器を胸にあてて、患者さんに大きく息を吸ってフーッと大きく息を吐かせて
[ 胸の音を聞いておられました。(左胸と左胸の2回)もし下気道(肺の気管支)が狭窄
[ していれば、吐くときに異常音が聞こえるはずだと思います。
[Dその次にお腹がいたくないか/下痢をしていないと症状を聞かれていました。
[C次に看護師さんに血圧を聞いて、再度測るよう指示しておられました。
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■喉頭浮腫はどうやって診るか?(喉頭浮腫の臨床所見)
くちびるがタラコになっているか否かはあまり関係ない。
・後咽頭浮腫(口をア〜ンと開けてと言った時に喉の奥が腫れていないか)
・口蓋垂浮腫(のどちんこが腫れていないかどうか)
・のどの締め付け感
・嗄声(させい) (かれ声、しわがれ声)

■アナフィラキシーの治療
・エピネフリン
・輸液
・抗ヒスタミン H1 & H2
・ステロイド
   ハイドロコルチゾン 100〜500mg
   メチルプレドニゾロン 125〜250mg
   プレドニゾロン 1mg/kg

蕁麻疹の治療が圧倒的に頻度が多いので、蕁麻疹の治療に慣れていると、抗ヒスタミンや
ステロイドを使う、のんびとした治療に慣れている人が多い。しかし、目の前で死んでし
まうような人、例えばエアウェイがやられる人、ブリージングがやられる人、
サーキュレーションがやられる人は急激に悪くなる。やられてしまうのにかかる時間はど
れくらいか?。多くの場合アナフィラキシーで心肺停止に至るのは約30分〜1時間以内。
三重県の会社員が蜂に耳たぶを刺されて5分で心停止になった。血流がいいところは、要
注意。時間的に早い。診ているうちにあっという間に亡くなる。血管がワーッと拡がって
しまう。戦う一番大事なのはエピネフリン。血管が拡がってしまうdistributive shockで
あるから拡がるボリュームを戻してやる輸液が大切。エピネフリンと輸液はあわてないと
いけない。

■抗ヒスタミンはどれくらいで効いてくるか?
4時間くらいかかる。ステロイドも4時間くらいかかる。1時間から効いてくるが、
ピークは、4〜6時間。効いてくる時間を例えると、エピネフリンはジェット機、
抗ヒスタミン剤は自動車、ステロイドは人力車。

■何故エピネフリンはいいのか?
アドレナリン受容体(Adrenergic receptor )とは、アドレナリン、ノルアドレナリンを始
めとするカテコールアミン類によって活性化される Gタンパク共役型の受容体である。
主に心筋や平滑筋に存在し、脳や脂肪細胞にもある。

α1受容体:血管収縮、粘膜浮腫軽減
α2受容体:インスリン分泌低下、ノルエピネフリン分泌低下
β1受容体:心収縮力増強、脈拍増加
β2受容体:気管支拡張、脱顆粒抑制、血管拡張、糖新生

*脱顆粒……肥満細胞の中にはヒスタミンなどがあり、細胞表面のIgEに抗原が結合すると
その内容物であるヒスタミンなどが放出されること。
心収縮力増強、血管収縮、粘膜浮腫軽減は、皆さん頭に入っていると思うが、実は、肥満
細胞(マストセル)から脱顆粒を抑制する。根っこの部分で、ヒスタミンがでてくるのを抑
える。抗ヒスタミン剤というのはレセプタのレベルで今起こっている反応を抑えるが、基
の肥満細胞や好塩基球からヒスタミンが出るのを抑える薬がエピネフリン。

■エピネフリンが効かないのはどういう時か?
・エピネフリン投与が遅れた場合……呼吸症状やショックが悪くなるのを待ってはダメ
 (一番大事。ヒスタミンとステロイドで様子を見ようとしているとすぐに悪くなる。
  悪くなってからエピネフリンを打っても効かない。早いうちに使わないといけない)
・アナフィラキシーの進行が速すぎる場合……間に合わなかった!
・エピネフリンの投与量が不十分な場合……繰り返し必要な場合がある。
 (1回投与で良くなる思っていると大間違い。2回、3回と必要な場合もある。大体、
  2回くらい。)
・筋注ではなく皮下注した場合……吸収が遅くて間に合わない!
 (よく教科書にも皮下注と書いてあるが、皮下注は効果が遅い。皮下注は血管を収縮さ
  せるため、吸収が悪く、効果発現が遅くなる。)
・患者が立位の場合……立位では静脈還流が減る
 (これが本当かどうか、僕にはよくわからない。)
・薬剤が期限切れの場合……薬効の低下
 (一般の方が持ち歩くエピペンは1年ちょっとたつと期限切れになる。また、診療所に
  ストックしておいて期限切れになることもある。)
・β遮断薬(降圧薬/狭心症状予防薬)やα遮断薬(高血圧治療/排尿障害治療)、 ACE阻害薬
 を服用している場合。
 (一番上の投与が遅れた場合とこの場合は覚えて下さい。βブロッカー、αブロッカー
  ACE-inhibitor(心臓の収縮が落ちている)を飲んで場合は、やはり交感神経の
  カテコラミン系は効きにくい。その時にアナフィラキシーがどんどん悪くなってくる
  場合は、エピネフリンだけでは戦えないことがある。

■エピネフリン
・タイミングが命! 早期につかうべし 遅いのはダメ!
・◎筋注 0.3〜0.5mg 10〜20分後効果判定
  (僕は15分たったら待ちきれないので次を使ってしまう)
   必要なら繰り返す
・×皮下注はダメ。めちゃくちゃ遅い!
・△静注0.1mgずつ 心肺停止、重症ショックで難治になる例あり。
 (実は、静注するのは本当にヤバい時以外はやめといた方がいい。血圧はふれるという
  時に静注すると、ヒドイ目にあうことがある。エピネフリンを10倍にのばして、その
  1/10ずつ使う。結局0.1mgずつ使う。0.1mgちょっと静注して、効かないので、時間が
  たつのでもう効いているはずだと思ってもまだ効かない、血圧低いという時に、もう
  一回使おうと0.1mg追加して、合計で0.2mg使ったら、使った瞬間、血圧が急に200に
  なったり、脈拍が 200にあがったりすることがある。そのような経験がある。あと、
  基礎疾患にもよる。虚血性心疾患を持っている人の場合は、やはり静注はこわい。
  筋注は5分以内に効いてくるわけなので、筋注でいい。脈がふれる場合は筋注。静注
  はよほどの場合でないと、コントロールされた環境で使うべきだと思う。

■筋注は肩の筋肉がよいのか、大きい大腿(だいたい)の外側広筋(がいそくこうきん)がよ
いのか?
調べたスタディでは、外側広筋の方が吸収がよかった。日本の場合は、殿筋(でんきん:
お尻の筋肉) も使う。殿筋もでかい。でかい筋肉の方が吸収がいい。患者さんがズボンを
おろすのを嫌がった場合に肩に打つと吸収が遅い。筋肉がでかい方が血流がよいから吸収
が早いのを知ってた方がよい。お尻の筋注でズボンをガバッとおろす人がいるが、あまり
おろさなくても十分できる。
エピネフリンは、タイミングが命だというのは以下にあるのでぜひ読んでおいて下さい。
非常にいいレビュー
Adrenaline in the treatment of anaphylaxis: what is the evidence?
BMJ 2003 327 1332-1335
http://www.bmj.com/content/327/7427/1332

蜂さされの文献は以下にある。これもぜひ読んで下さい。
Freeman TM Hypersensitivity to hymenoptea strings
N Engl J Med 2004 351(19) 1979-84
http://navyemergencymedicine.com/wp-content/uploads/2010/01/Hymenoptera-stings.pdf

■Dr.林のアナフィラキシーのABCD
エピネフリンを早く使えというのは、一体どういう時か?

全身蕁麻疹+アナフィラキシーのABCD(以下のどれかがあれば…)
      A:Airway    喉頭浮腫
      B:Breathing  喘息
      C:Circulation ショック
      D:Diarrhea   下痢、腹痛

結局、アナフィラキシーの何を診たいのか? 全身の血管が腫れているかを診たい。死ぬ
のは、喉、肺、全身の血圧のC 、あとおなかの中の血管も腫れているかどうかを診るのも
大事。「おなかが痛い」とか、「下痢してきた」という場合は、実はただの蕁麻疹だけで
はなくて、おなかの中の血管も腫れているという事。この時は筋注の適用だと思った方が
いい。比較的早めに使う。本当に蕁麻疹だけでそれほどたいしたことはない場合は、
エピネフリンはいりません。上記の図でABCDにひっかかる、全身の蕁麻疹があった場合は、
エピネフリンを筋注でオーダーすることがすごく大事。なるべくでかい筋肉に0.3m筋注。

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[☆加筆 エピネフリン(エピペン)を打つタイミング]
[林先生は、全身蕁麻疹があり、かつ、ABCDのうちどれかの症状があればエピネフリンを
[打てと言われています。また、蕁麻疹だけの場合はエピネフリンは不要だと。

[■以下は、薬物によるアナフィラキシーショックの時系列の例です。
[【症例】20歳代女性
[     (出典: 厚労省H19重篤副作用疾患別対応マニュアル アナフィラキシーP26)
[             http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1213-4h.pdf
[近医で気管支炎の診断にて抗菌薬、セフジトレン・ピボキシルが処方され(現在は
[カゼインを含有していない)、内服したところ20分後に全身蕁麻疹が出現しため受診。
[抗菌薬によるアナフィラキシーを考え、クロルフェニラミン(5 mg)の点滴を開始した。
[抗菌薬内服45分後に喘鳴が出現し、SpO2(room air)85%、収縮期血圧89 mmHgとなり
[アナフィラキシー・ショックの治療のため、直ちに酸素投与(マスク6L/分)、
[アドレナリン 0.3 mg筋注、生理食塩水500 mL(10分)と同時にメチルプレドニゾロン
[40 mgの点滴投与と塩酸プロカテロール 0.3 mgを吸入させた。内服55分後には、
[SpO2(マスク6 L/分)93%、血圧110 mmHgとなり、以後、乳酸リンゲル 500 mL/時間の
[持続点滴し、抗菌剤内服120分後には、蕁麻疹は消退傾向で、喘鳴は消失し、
[SpO2(鼻カテーテル2 L/分)98%、血圧120 mmHgまで改善し、内服180分後には、呼吸、
[循環状態は改善した。

140503_anaphylaxy.jpg


[この例で、抗菌薬によるアナフィラキシー症状は、まず蕁麻疹が先に表れています。
[次に、喘鳴が現れ、SPO2(血液中の酸素飽和度)と血圧が急に下がっています。この例で
[はアドレナリン(エピネフリン:エピペンと同じ)と輸液の治療介入により、その5分後
[くらいから、SPO2と血圧は改善し始めます。

[日本小児アレルギー学会の「一般向けエピペンの適用」では、
[ http://www.jspaci.jp/modules/membership/index.php?page=article&storyid=63
[「エピペンが処方されている患者でアナフィラキーショックを疑う場合、下記の症状が
[ 一つでもあれば使用すべきである」となっています。

[・消火器の症状D:繰り返し吐き続ける 持続する強い(がまんできない)おなかの痛み
[・呼吸器の症状A:喉や胸が締め付けられる 声がかすれる 犬が吠えるような咳
[       B 持続する強い咳込み ゼーゼーする呼吸 息がしにくい
[・全身の症状 C:唇や爪が青白い 脈を触れにくい・不規則
[         意識がもうろうとしている ぐったりしている 尿や便を漏らす

[上記のアレルギー学会の指針でも林先生の講義と同じで、蕁麻疹がでたら打てとは書い
[てありません。アレルギー学会と林先生の指針を比較すると、
[消火器の症状=D、呼吸器の症状=A/B、全身の症状=C に相当すると思います。もし、
[学会の指針の、「消化器の症状」の項目が一番下に書かれていれば、上からABCDの順に
[チェックできるので、そのように並び替えて覚えておいた方が覚えやすいかもしれませ
[ん。

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■救急の大原則
危ない薬は医師が自分で打つこと。(口頭指示で人に頼むのはダメ!)危ない薬は全部自
分でつめて自分で打つ。これはクセにして下さい。医療事故を防ぐためにも。すごく大事
な薬ですから口頭指示ではなく、自分で打つ。

■Monophasic(単相)? Biphasic(2相)? Protracted(長期化)?
・5〜20%は二峰性
・ステロイドは必ずしも遅発反応を予防できるとは限らない。
・喉頭浮腫は二峰性で40% 、遷延性で57% に認めたという報告もあり
・6〜8時間経過観察を。重症例は24時間。

アナフィラキシーの反応は文献によって言い方が違う。二峰性(ふたこぶラクダ)になって
くる。今の反応がおさまったと思ってもまたあとででてくる場合が5〜20%ある。又は1/3
くらいあると言われている。ステロイドは、今の反応を抑えるのではなく、4〜6時間後
の後の反応を抑えるために使う。または遷延性の長い慢性の蕁麻疹の反応の場合は
ステロイドはよい。今目の前の蕁麻疹を治すため・今の目の前のアナフィラキシーを治す
ためのステロイドの有用性は実は疑問である。では使ってはいけないのか?二峰性のもの
があるわけだから、使ってもよい。後の反応を抑えるのが大事。
喉頭浮腫は二峰性で40%に出現する 、遷延性で57% に認めたという報告もあるので、喉頭
浮腫も後からでてくることがある。だから全身性のひどい、強い症例はやっぱり経過観察
しないといけない。普通の二峰性の蕁麻疹は6〜8時間看ればよいが、ショックになったり、
喉頭浮腫など、すごい呼吸不全まできた症例は、やはり必ず24時間経過観察しないといけ
ない。抗ヒスタミン剤やステロイドは、2こぶラクダの2つめのコブを抑えるための薬だ
ということを頭に入れておかないといけない。経過観察の時間は知っておいて下さい。す
ごい悪かったアナフィラキシーの患者を帰すことはやめて下さい。

■難治性のアナフィラキシー
・エピネフリン、輸液、昇圧剤を使っても血圧が上がってこない!
・カテコールアミン抵抗性ショック!
 ☆グルカゴン
  =>β遮断薬使用中
  =>難治性ショック
  1〜5mg 静注

目の前のアナフィラキシーを治すためにやっぱり一番大事なのはエピネフリン。そして、
輸液も大事。それでも効かなかったら、カテコラミン(昇圧剤)を使いますよね。それでも
血圧が上がってこない。

・カテコラミンが効かない時は、何を使うか?
グルカゴンを使う。
[☆体内では、低血糖時に分泌され、貯蔵燃料を動員するホルモン。インシュリンの逆。]
グルカカゴンがなぜ効くのか?これは、交感神経を介さずにサイクリックAMP(cAMP) を増
やして効く。cAMPを増やすことによって心筋の収縮力を上げる。難治性のショックの時に
使う。エピネフリンが全然効かない時に使う。
βブロッカーを飲んでいる時はエピネフリンは効かない。それから何しても効かない場合
は試してみる価値がある。一投1mg 。1mg 使ってみる。効かなかったらもう一回使ってみ
る。ダメだったらもう一回使ってみる。効いてきたら、今度は状況によっては持続点滴で
1時間1mgとか、1時間5mgくらいのペースで点滴する。結構高い薬。(薬価2381円?) お金
のことも大事ですので考えておきましょう。

■蜂刺症
・蜂毒 50μg  致死量1500回
・アナフィラキシーは少量で発症
 2回目でアナフィラキシー 35〜60%↑
・毒袋は潰さないように取る!
・50回以上刺されたら、遅発性中毒+
 24時間観察を → 腎不全、肝障害、横紋筋融解症、DIC()

Kolecki P.,Delayed toxic reaction following massive bee envenomation.
Ann Emerg Med. 1999 Jan;33(1):114-6.
http://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(99)70428-2/abstract

こんなことを知っていなくてもいいのだが、蜂は1回に50μg の毒が出る。これではすぐ
には死なない。アナフィラキシーが起こらない、アレルギーを持っていない人なら、1500
回刺されないと死ぬことはない。しかしアレルギー反応を持っている人は微量でも反応が
出る。1回目刺されてある程度反応が強かったという人は、2回目刺されてちょっと腫れ
るだけでもアナフィラキシーになる人が実は半分近くいる。35〜60% と言われている。な
りやすい人は何回も刺されるとどんどん悪くなる。予防がすごく大事。医師が「毎回治し
て俺は偉いなぁ」と思っていてはダメ。その人が次に刺されたらもっと悪くなる。それを
なんとかしなくてはいけないことを考慮しなければならない。
あと蜂(ミツバチ)は毒袋を残して逃げていく。刺された所を見ると毒袋と黒い針が残って
いる。
毒袋の筋肉はヒコヒコと動いている。毒袋にはまだ毒が残っている。それを抜くときに、
指で毒袋をつまんでジュッと毒を押して針を抜くと、余計反応が強くなる。絶対にそのよ
うな事をしてはいけない。昔の救急の教科書には「クレジットカードを出して、そぐよう
にして取りましょう」と書いてある。本当か否か疑問である。刺されて気が動転している
時に財布からクレジットカードを出すのは時間がかかるのではないかと思っていた。
Lancetに載っていた面白い研究があった。実際にクレジットカードを出して針をとった人
とつぶさないように指ではじいた人とどちらが効くか、ボランティアの大学生を使って調
べた研究。こういうスタディをぜひしてみたいものだ。早く取った方がやっぱりよかった
との結論。あたりまえだ(笑)。
これは、アナフィラキシーとは関係ないが50以上刺されると結構毒が入るので、遅発性の
中毒が起きる。何が起きるかというと、腎不全、肝障害、横紋筋融解症と結構こわいのが
起こってしまう。山ほど刺された人は、アナフィラキシーを別にして、毒の中毒がおきる
ことを注意する必要がある。(文献参照)

■蜂 Tips 蜂が嫌う、好む服は?
・服装
 ×黒、×花柄  ○白
・匂い
 ×香水、×匂いの強い果実、×発酵飲料、×アルコール
・エピペン ……携帯用
  1ドーズ 0.3mg
  キャップをはずし、大腿外側に刺入
  基本的に使い捨て

蜂がいるかもしれない山にピクニックに行くときに、どんな服装がよいか? 黒と花柄は
ダメ。黒は熊と間違えられる。熊は蜂蜜が好きだから、蜂の巣を狙う。だから蜂としては
熊はイヤ。だから熊を襲う。黒はダメ。花柄は蜜を集めたいから寄ってくる。だから白っ
ぽい服がよい。
匂いは、当然だが、匂いがいいとダメ。香水とか、匂いの強い果実、発酵飲料、
アルコールという匂いをプンプンさせて歩いてはダメ。
先ほど言ったが、蜂に刺されてアナフィラキシーになる人は、刺されるたびに、どんどん
悪くなる。病院に行くまで間に合わない時のためにエピペンがある。これは医師の処方が
必要。エピペンを打つとちょうど0.3mg 出る。ペン型でキャップを外し、先端の黒い所を
大腿の外側にポンとあてると、針が出る。針は22ゲージ。結構太い。1.7cmくらい出る。
医療者がこのことを知っていると「おぉこわい」と思ってしまう。
どうでもよい知識だが、中の薬液(エピネフリン)は2cc入っている。そのうちの0.3mgがは
いる。一回使ったら再使用(リユース)はできない。使ったあとは捨てるしかない。1回だ
けで効かない人がいるので2本処方されている人もいる。分解して使ったらいいじゃない
かというと、業者さんは「そう簡単には分解できませんよ」と言っていた。もし分解して
1.7ccとったものを飲んだらいいかというと、飲んでも効かないというデータがあるので、
分解しないで下さい。無駄な知識でした。

[☆加筆 蜂が毒針を刺した瞬間の写真と動画
[以下のページに、@蜂が針を刺した後に逃げる写真、A腕に毒袋と針が刺さった写真、
[B実際に刺した毒袋と針が抜ける瞬間の動画があります。
[ http://www.gekiyaku.com/archives/8920526.html

■その他のアナフィラキシー
・食品 → 1/3が二峰性に
  注意:scombroid fish poisoning(サバ科の魚中毒)はアレルギーじゃない。
  サバ科の魚に含まれるヒスタミン類似物質によりアナフィラキシー様症状を起こす場
  合がある
・ラテックス
  医療関係者 日本は1.7%(+アトピー3.6%) 二分脊椎症患者↑
  食べ物にも:アボカド、キウイ、バナナ、くるみ
  oral allergy syndrome(OAS:口腔アレルギー症候群)を併発する場合がある。
・ジャンガリアンハムスター
  リポカリン……馬、牛、鶏、猫にも+

Kevin J Kelly, et al.,Latex allergy: a patient and health care system emergency.
Ann Emerg Med 1998,32,723-729
http://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(98)70073-3/abstract

その他のアナフィラキシーについて。食品の1/3 が二峰性になる。よく「青魚を食べて
蕁麻疹でましたのでこれアナフィラキシーですね」と言われるが実はこれは違う。
scombroid fish poisoningと言って、サバとかサバ科の魚にはヒスタミンが入っている。
ヒスチジン(histidine:C6H9N3O2)というアミノ酸が入っており、細菌感染とかによって
ヒスタミンに変わってしまう。口からヒスタミンを入れれば当然蕁麻疹になる。これは、
アナフィラキシーではない。だいたい魚釣ってすぐ冷凍しない場合、室温に置いて温度が
上がると細菌が繁殖して、ヒスチジンがヒスタミンに変わってしまう。ヒスタミンをたく
さん飲んだ場合は、抗ヒスタミン剤やステロイドを使えばよい。ヒスタミンをたくさん飲
んだ中毒ということ。文献的にはアナフィラキシーだったら、他にプロスタグランジンが
でるはずだからそれを調べれば差がわかるとある。あと、ラテックス。我々は知っておか
ないといけない。医療関係者は多くなっている。ラテックスアレルギーの人は食べ物と
交差がある。Oral Allergy Syndrome と言って、食べ物を食べて口がかゆくなったり、腫
れたりする反応がでやすい人がいる。アボカド、キウイ、バナナ、くるみが食べれないと
いう先生はラテックスアレルギーがいるかもしれない。アボカドはアボガドではなく、
アボカド。点々が抜けている。また、舌をかみそうだが、ジャンガリアンハムスター。
ジャンガリアンハムスターは口の中にリポカリンというタンパクがある。これでなる。
2004年9月 に会社員がジャンガリアンハムスターに噛まれて、アナフィラキシーで死亡し
た例があった。これは動物を飼っている人には有名な話。

■まとめ
・Dr.林のアナフィラキシーのABCD
    Airway
    Breathing
   shoCk
    Diarrhea
・エピネフリンの使用法に強くなる
・薬の効果発現時期を知る。
    エピネフリン、輸液、抗ヒスタミン剤、ステロイドの使用法をマスターしよう   

まとめです。Dr.林のアナフィラキシーのABCDは絶対覚えて下さい。Airway喉頭浮腫、
Breathingがやられるもの、喘息みたいになっているもの、Circulation、ショックになる
もの、Diarrheaおなかが痛くなる、このような場合は、早期にエピネフリンを筋注で使っ
て下さい。筋注が一番。薬の効果発現時期を知って、エピネフリン、輸液、抗ヒスタミン
剤、ステロイドの使い方をぜひ覚えて下さい。裏ワザとしてエピネフリンが効かない場合
はグルカゴンもあるということを覚えておいて下さい。
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posted by jemta at 19:31| 日記

2014年05月02日

経済学雑誌に投稿された経済学者による生死観



本記事のURL
http://jemta.org/index_140502.html
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こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

温かくなり、山肌が一斉に若々しい黄緑に輝く季節になりました。一般社会は
連休の狭間で、後半のお休みに期待されてる方も多いかもしれません。

本投稿はこのブログの趣旨から少しはずれるかもしれませんが、ご興味とお時
間があればご覧ください。職種的に人の生死に立ち会う場面が多く、また、
心的なストレスを感じることが多い方にも以下の論文はご参考になるかもしれ
ません。


飯田史彦(福島大学経済学部助教授)「いきがい」の夜明け
福島大学経済学会・「商学論集 1995年9月 第64巻 第1号」
 PDF版(A4版30ページ)
  http://www.sol.dti.ne.jp/~sam/realaim/daybreak.pdf
 Web版(上記のPDFは字が小さいのでこちらの方が見やすいかも知れません。)
  http://www.sol.dti.ne.jp/~sam/realaim/Lifeindex.html

ご存じの方もおられるかもしれませんが、
この論文は蘇生科学者でもなく、特定の宗教関係者でもなく、元福島大学教授
の飯田史彦さんが1995年に出されたものです。

内容は、主に海外で、退行催眠によって語られた、自分が生まれる前の過去世
の体験証言を、第三者の研究者が追跡研究し、その証言が単なる虚言では説明
できない事、「死後の生命」や「生まれ変わり」が確かに存在することを検証
する近年の科学的研究成果を紹介したものです。
これらの研究は心肺蘇生法と同じで、まだ浅くここ半世紀くらいだと思います。


(以下は最終章等の一部抜粋)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「死後の生命」や「生まれ変わり」に関する研究は、その科学的正当性の議論
とは別の次元で、研究成果の存在そのものが大きな社会的役割を有している。

私は、「死後の生命」や「生まれ変わり」に関する近年の科学的研究成果の内
容について、試みに、各所でそれとなく話しをしてみることにした。その結果、
その情報を伝えた人々が、目を丸くし、時には涙を浮かべながら、真剣に聞き
入ってくれることを発見した。ある経営者は、「それこそが私の求めていたも
のです。社員に何をしてもらえるかではなく、社員に何をしてやれるかという、
すっかり忘れていた問題意識がよみがえってきました」とうなづいた。また、
ある管理職は「ぜひ、部下ばかりではなく家族や知人にも教えてあげたい」と
目を輝かせ、ある学生は「これで何も怖くなくなりました。これからは下宿に
帰って一人きりでいても、寂しくありません」とよろこぶのであった。

臨死体験をした自殺未遂者は二度と自殺を企てようとはしないことがわかった。
その理由について、コネティカット大学医学部精神科のグレイソン教授は、
「死が終わりではない」ということを知った結果、あるいは、「何らかの理由
で自分は死後の世界から送り出されたのだ」と信じることからくる効果である
と分析し、この効果によって、人は自分自身をより許容するようになり、「自
殺が問題からの逃げ道にはならないのだ」という事実を知るようになると指摘
する。

「死後の生命」や「生まれ変わり」の仕組みを理解すると、全ての悲劇に貴重
な意味が生まれ、単なる不幸が成長への機会と変貌する。(中略)
数多くの退行催眠の事例をもとに、ブライアン・L・ワイス博士は次のような
結論を出している。「重い精神病や肉体的な欠陥などのように深刻な問題を持
つことは、進歩のしるしであり、退歩を意味しない。私の見解では、こうした
重荷を背負うことを選んだ人は、大変に強い魂の持ち主だ。最も大きな成長の
機会が与えられるからである。もしも、普通の人生を学校での一年間だとすれ
ば、このような大変な人生は、大学院での一年間に相当する。退行催眠をかけ
ると、苦しい人生の方がずっと多く現れてくるのは、そのためである。安楽な
人生、つまり休息の時は、普通はそれほど意味を持たないのである。」

また、まもなく死を迎える時、「死後の生命」や「生まれ変わり」の仕組みを
知っていれば、どれほど心安らぐことだろう。「死ぬ」ということは、ただ
「肉体」という衣服を脱いで取り替えるだけにすぎないこと、次にどのような
衣服を着るかは自分で選択できること、先立った懐かしい人々との再会が待っ
ていること、この世に残す家族はやがて自分が迎えに来ればよいことを知って
いれば、死の瞬間をどんなに大らかな気持ちで待つことができるだろうか。
「さて、次はどんな人生を計画してみようかな」と、洋々たる未来を想像する
ことができれば、死に際しても楽しい気分でいることができるに違いない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

同様の参考文献
■池川明(産婦人科医)「子どもは親を選んで生まれてくる」
http://www.amazon.co.jp/dp/4531064070/
(上記HPで「なか見!検索」で一部、読めます)

この本は、上記のような検証はありませんが、産婦人科医である著者が実際に
患者さんのお子さんから聞かれた証言をまとめられています。生まれる前の記
憶を持つ子供から聞かれた事例が書かれています。

P170 赤ちゃんが亡くなると、医者は無力感に打ちのめされます。「命を救う
こと」だけを医者のミッションだと考えると、死は医者の敗北にすぎないから
です。
P182 100% 安全なお産は決してありません。その事実をどう受け止めるか?
お母さんも医者も生死観が問われています。そもそも命あるものは、必ず死を
迎えますし、その意味で死とは生の対極にあるものではなく、常に表裏にある
ものです。死をタブー視して忌み嫌うと真実の半分しか見えなくなってしまう
のだと思います。
P211 私たちは、なぜ生まれ、どこに還っていくのかという生死観が必要なの
です。

■NHKスペシャル超常現象 科学者たちの挑戦
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0322/
http://www.nhk.or.jp/bs-blog/100/176720.html
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014054673SA000/
生まれ変わりの子どもたち
−−−「前世はイギリス人だった。本当のお母さんに会いたい」そう話してい
たという日本人の少年。目元の涼しい、頭脳明晰(めいせき)な男の子です。
アメリカのバージニア大学では、2500例以上の生まれ変わり現象を記録してい
ます。

■五島勉『カルマの法則』1978年7月
http://www.amazon.co.jp/dp/4396310366
人が死んだらどうなるのか−−−1950年代の米国でニューヨークタイムズやラ
イフでも取り上げた話題、コロラド大学が調査を公表し、バージニア大学は20
年かけて2000例を調査し、『前世を記憶する20人の子ども』として大学出版局
から出版されたことなどが書かれています。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


posted by jemta at 16:29| 日記

2014年05月01日

心肺蘇生の新ガイドラインG2015のトピックス



本記事のURL
http://jemta.org/index_140501.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。


■1.はじめに
ご存知のように
1960年に、初めて人工呼吸と胸骨圧迫と除細動の3つが統合され、
1974年に、AHAは、Guidelines for CPR and ECC(1974)を初めてJAMAで公表し、
その後、ERCと共同してILCOR組織を作り、
2000年にGuidelines 2000 for CPR and ECC(2000)が公表されました。
(日本も岡田先生らのご尽力により、RCAとして2010年から正式にILCORに加盟。)
http://jemta.org/index_ilcor.html

以降、国際コンセンサスと各国のガイドラインは2005年、2010年と改定され、
来年の11月に新ガイドラインG2015が出版される予定になっています。

G2010については、以前、ILCORのQuestions2010の項目名のみ和訳しました。
 ・原文の順序での和訳
   http://jemta.org/index_ilcor2010q.html
 ・TaskForce名(ACS,ALS,BLS,EIT,NRP,Peds)順序
   http://jemta.org/index_ilcor2010q_abc.html
  Questions2010の項目は全部で302個ありました。

項目だけでも膨大なので、この中の1個のタスクフォース
BLS-004B(パブリックアクセスのAEDプログラム)を選んで、和訳しました。
検索にヒットした論文をあげ、その一つ一つの論文に対して
レビューアーのコメントが書かれています。全部で56ページありました。
http://jemta.org/index_ilcor2010q_bls004b.html


■2.新ガイドライン2015のトピックス
以下は、3月に京都で行われた第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)の
参加メモです。

−−集中治療領域における蘇生科学の実践−−
会   長:氏家 良人(岡山大学救急医学)
実行委員長:野々木 宏(静岡県立総合病院)
実行委員 :一般社団法人日本集中治療医学会、非営利活動法人NPO救命おかやま

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点
1.BLS
http://jemta.org/index_140327.html
2.ALS
http://jemta.org/index_140328.html
3.EIT
http://jemta.org/index_140404.html
4.ACS
http://jemta.org/index_140410.html
5.小児
http://jemta.org/index_140415.html
6.新生児
http://jemta.org/index_140417.html

教育講演:ガイドライン作成方法の潮流
1.なぜILCOR はGRADE (グレード)システムを導入したのか?
http://jemta.org/index_140418.html
2.ガイドライン作成に役立つGRADEシステム
http://jemta.org/index_140430.html


■3.最後に
JRC会長の岡田先生はこのシンポジウムの最後の挨拶で
・今度のCoSTR2015は、GRADEシステムで作成される。
・本J-Ressで発表された咽頭冷却装置
 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1402/28/news136.html
 を初め、日本発論文の世界貢献に期待する。
との2点を強調されていました。

JRC岡田和夫会長の「第7回J-ReSS報告」
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20140311J-ReSS.pdf

尚、次回の第8回日本蘇生科学シンポジウム(J-RESS)は、
2015年6月4日(木)9:00-17:00、富山県民会館で行われるそうです。
http://www.med.u-toyama.ac.jp/tedm/top.html

また今回の小児のトピックスで最初に講演の予定だった
清水直樹先生(都立小児総合医療センター)ですが、
救命おかやまの第9回定時総会・記念講演会で
小児の心肺蘇生の特別講演として講演される予定だそうです。
2014年7月12日(土) 17:45-19:30
岡山プラザホテル 2F「吉備の間」
http://npo-ok.umin.jp/
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posted by jemta at 11:50| 日記

2014年04月30日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ8 [ガイドライン作成に役立つGRADEシステム]



本記事のURL
http://jemta.org/index_140430.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ7 [なぜILCORはGRADEを導入したのか?]
http://jemta.org/index_140418.html
に続き、

教育講演:ガイドライン作成方法の潮流
「2.ガイドライン作成に役立つGRADEシステム」のメモです。[一部加筆しました]


尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。
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2.ガイドライン作成に役立つGRADEシステム
  大田えりか(国立成育医療研究センター)
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[大田えりか氏 略歴
2001年聖路加看護大卒、2002年日本赤十字社助産師学校卒、東京都三楽病院で助産師
2006年東京大学大学院母性看護学助産学教室 保健学修士、2008年同大学院で保健学博士 
2009年東京医科歯科大学大学院リプロダクティブヘルス分野特任助教、
2010年エイズ予防財団リサーチ・レジデント、世界保健機関ジュネーブ本部
リプロダクティブヘルス部門でインターンで WHOの妊婦健診ガイドライン作成に携わる]

私は助産師なんですけれども、3年前にインターンでWHO に行っていて、その時に
ガイドラインを作成するお手伝いして、GRADE を学びました。

日本はEvidence-base で遅れをとっていることに気付いた。上司である森臨太郎先生が、
コクランの共同計画を日本に持ってこようと3年前からワークショップを始め、先月、
ようやく日本支部の許可をもらった。今は、コクランレビューを書いて著者を増やす仕事
をしている。「GRADE がはじめての方はいらっしゃいますか?」(半分以上が挙手)。今日
は初めての方向けの資料で説明します。


■1.GRADEシステムとは何か
GRADEシステムは、カナダのMcMaster(マクマスター)大学のDr.Gordon H. Guyatt
(ゴードン・ガイヤット)先生によって作成された。[David SackettとGuyattはEBM提唱者]
http://therres.jp/3topics/2011/20110525165004.php
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E6%8B%A0%E3%81%AB%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E5%8C%BB%E7%99%82

GRADEシステムとはは、システマティックレビューや診療ガイドラインなどのエビデンスの
質評価や推奨の役立つアプローチ。
一番大事なことは、点推定値、系統的なレビューを行ってメタアナリシスをして、
リスクレイショの推定値が確からしいのか、本当にそれが効果があるのか、ないのかを
エビデンスの基としなければならない。それをガイドラインでシステマティックレビュー
でちゃんと評価しよう、わかりやすい評価基準を作って評価しようということになった。

GRADE の流れは、システマティック(系統的)レビューを行って、メタ解析をして、質の評
価をして、エビデンスプロファイルという表を作って、アウトカムごとにその質が高いの
か、中くらいか、低いのか、非常に低いのか、4段階の質にわける。 それを?毎にまた
全体的なエビデンスの質をつけてパネル会議をする。但しこのパネル会議はエビデンスの
質とは別に考える。エビデンスの質はベースにあるが、分けて別に考える。

さきほど、インプリメンテーションができるのがGRADE はすごいとの話があったが、
エビデンスの質は、4つのクライテリア(尺度)の一つでしかない。それ以外に利害と害の
バランス。副作用が強い薬は簡単には推奨はできない。これはエビデンスはあるがさすが
に勧めることはできないんじゃないかとか、さきほど、低体温症の話があったが、
エビデンスがあるからと言って一概に推奨していいのかとの議論がある。それをちゃんと
パネルで決めましょうと。

あとはコストの問題。非常に有用性があって副作用が少ない。しかしものすごく高い。今
は医療費が膨大に増加している。日本は、高齢化社会でそれにどのような説明責任をつけ
て資源を配分していくかということが非常に重要になる。それにどのような理由で、この
ような理由で、GRADE を使ってパネル会議をして、有識者かつ医療消費者も入れるのが
GRADE のルールだが、医療を使う側も含め、多種多様な人が集まって話し合って
ガイドラインを作っていく。そういう一連の流れを作ったシステム。まだ発展途上のシス
テムでもある。2000年から始まったが、まだ日々改善していっている。今、治療介入の
ガイドラインを主に伝えているが、これから診断のレビューとか、他の領域にも広がって
いく予定。

GRADEを使っている機関は、年々増えてきている。60くらいの機関が採用している。WHO、
CDC など世界の名だたる国際機関がGRADE に準じてきている。日本もこの流れに乗り遅れ
ないようにしなければならない状況にある。ILCOR の部会でも恐らく世界的な流れに準じ
る姿勢だと思う。ビデオのβ/VHS/ブルーレイの規格に似ているが、ISOと同じで、国際的
に統一して評価することで比べられる。


■2.なぜGRADEが必要か
なぜGRADE なのか、今までの評価では何故いけないのか?WHO が何故GRADE を採用したの
か?3年くらい前、WHO も以前は、今日本で行われているようなナラティブな(物語りと
対話に基づく)ガイドラインを使用していた。プロジェクトも、専門家がこれがいいんじ
ゃないかと考えたプロジェクトを行っていた。ただ、多くの医療の臨床、ガイドライン、
政策の決定がエビデンスに基づいていないんじゃないかということが問題になった。そし
てちゃんと系統的レビューをして、網羅的に検索をして、すべての知識を統合して、信頼
性のあるもの、効果のあるものを皆さんにインプリメントしていかないといけないんじゃ
ないかと。

たくさんプロジェクトで失敗した。多額なお金をかけて色々なことをした。しかし、うま
くいかないプロジェクトが多発した。それで失敗したら説明責任が伴うということで、プ
ロジェクトもガイドラインも必ずエビデンスに基づく、いちばんエビデンスのレベルの高
い系統的レビューをする、RCT のそのまた上の系統的レビューをしっかりすることが大事。
WHOのトップの方(LEE Jong-wook WHO Director General 2003-2006)が、
「知識に基づかない行動は無駄な努力であり、同様に、知識があっても行動しないのは、
資源の無駄だ。」と言われた。

しっかり今まで積み重ねてきたRCT を見直して、よりよい医療を皆さんに提供していきま
しょうと発言された。それから徐々にGRADE になってきた。WHO のガイドラインは全て
GRADE を取り入れることになった。そして系統的レビュー、コクランと共同して、GRADE
を使ってガイドラインを作り、プロジェクトを立ち上げていく手法に変換していった。

■表1.Oxfordスタイルの研究デザインとエビデンスレベルの評価
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
T 低 RCTのメタアナリシス
U   ランダム化比較試験(RCT)
V   比較臨床試験(Clinical contorl traial)
Wa  コホート研究(Cohort study)
Wb   症例対照研究(Case control study)
X   症例集積研究(Case series, case report)
Y 高 エクスパート・オピニオン(Expert opinion)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■表2.Minds推奨グレード Oxford Centre for Evidence-based Medicine
推奨グレード      内容
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   A   強い科学的根拠があり、行うよう強く勧められる。
   B   科学的根拠があり、行うよう勧められる。
   C1   科学的根拠はないが、行うよう勧められる。
   C2   科学的根拠がなく、行わないよう勧められる。
   D   無効性或いは害を示す科学的根拠があり、行わないよう勧められる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

上の表1.で、一番いいとされているのがRCT のメタアナリシス、次にRCT、比較臨床試験、
コホート研究、症例対照研究症、例集積研究、そして最後にエクスパート・オピニオン。
一番バイアスが低いのは、メタアナリシス、次にRCT 。研究のデザインでそれぞれの論文
を評価して、それに推奨グレードをつける。

表2.のMinds 推奨グレードのA は、「強い科学的根拠があり、行うよう強く勧められる。」
となっている。この「強い科学的根拠」というのが、推奨と科学的根拠が一緒になってい
る。これが、GRADE では離れている。先ほど話があったが、エビデンスレベルが低くても、
インプリメンテーションが高いのがあるではないかということで、それが今のスタイルだ
と全部その研究デザインが落とされてしまう。例えば、質の低いRCT が一つでもあれば、
それはすごい高い推奨になってしまう。これが問題点の一つ。質の高い観察研究の
エビデンスよりも、質の低いRCT のエビデンスがレベルが高くなってしまう。

例えば、救急の方だと、観察研究、コホート研究、大規模なものを多施設でやるのはすご
いエビデンスレベルが高いものがある。デザインだけで評価していいのか?という問題点
がある。推奨を科学的根拠だけで判断してよいのか?コストや好みも副作用もある。そし
てそれを医療消費者がどう受け取るかという事もあるので、推奨を科学的根拠だけで判断
するのは本当は違うんじゃないかということでGRADE システムはできた。

GRADE の特徴は、価値観、好み、医療資源(医療費)の配分などを考慮して判定することに
ある。エビデンスに基づく強い推奨、コホート研究で非常に大きいものがあれば高い
エビデンスとして評価することもできるし、低くても専門家としてそれが非常に重要だと
いうことであれば、強く推奨することができる。そしてそれをどうして判定したのかとい
う理由を述べていくことで、判定の透明性を高める。デザインだけで決めるというのは、
サンプルサイズはどうか、本当にそのRCT はきちっとランダム化されたものなのか、とい
うバイアスの問題を全く無視している。そこをGRADE では一つ一つクライテリアを作って
判定の透明性を高めている。


■何故、今までの評価のままではいけないのか?利益相反の問題
では、今までGRADE といままでのガイドラインとどういう問題が起きているか?との点。
今世界で非常に問題になっているのは、利益相反の問題。ガイドラインも利益に利用され
ている面が多々あり、それを臨床家は気づかないことも多い。

イギリスとドイツで起きたある薬の問題の例。
ドイツでは前のMinds の形のOxfordスタイルでレーティングをした。RCT が5本あったが、
全て一番高いエビデンスレベルと評価され、そして強く推奨された。そして、もちろん、
ポリシーメーカーはそれを読んで、その病気の人はその薬を無料で受けられる保険点数が
ついた。

ところがイギリスのNICE(ナイス)ガイドラインではGRADE を取り入れていた。質の評価を
きちっとしているので、RCT であっても質が低いものを見抜いているので、一番高い
エビデンスレベルにはならなかった。低いエビデンスレベル、限界点、副作用、患者の好
みを考慮して、もし標準薬が効かなければ使ってもいいという、条件付きの政策になった。
医療費も抑えることができた。ところが数年たってわかったが、ドイツのガイドラインを
作った方がその会社からお金をもらっていた利益相反(COI )が明らかになっている。そう
いう方が一人でもガイドラインのメンバーに入っていると、Oxfordスタイルでは、
ガイドラインがその意志にひっぱられてしまう可能性がある。実際に起きている。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■表3.高血圧の治療薬 標準薬と新薬の比較論文

       アウトカム1 アウトカム2    アウトカム3
       効能1    副作用1      副作用2
       血圧低下  脳卒中      突然死  
論文名 症例 標準 新薬 標準    新薬 標準 新薬
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 A   40  ○  ○  ×10/20  1/20   −
 B   120     ○    5/65 ×15/55     ×
 C   100     ○   20/55 ×28/45  ×  ×
 D   70  ○      3/38 ×9/32   −
 E   600     ○   -    -    −
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○:より効果があった。   いずれもランダム化比較試験
×:より副作用があった。
−:記載なし

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
例えば、表3.は、高血圧の治療薬で、標準薬と新薬とどちらを推奨すればよいかとの論文
で、RCT が5つ見つかった場合。アウトカムとしては、血圧低下の効能、脳卒中の副作用、
突然死の副作用の3つがある。それぞれの論文はサンプルサイズも異なるし、実施国も異
なる。各アウトカム項目のないものもある。これをナラティブなレビューとして、以下の
表4.のように新薬に有効性があったトライアルだけを用いて、新薬を強く勧めることがで
きてしまう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■表4.新薬を強く推奨する説明
       アウトカム1 アウトカム2    アウトカム3
       効能1    副作用1      副作用2
       血圧低下  脳卒中      突然死 
論文名 症例 標準 新薬 標準    新薬 標準 新薬
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 A            ×10/20  1/20
 B
 C                     ×  ×
 D
 E         ○
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
新薬は論文Aより、脳卒中の副作用が低く、
論文Eより、血圧低下の効能があり、
論文Cより、突然死の副作用は標準薬と同じなので
新薬を強く勧める。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


反対に標準薬を進めたかったら、以下の表5.のように標準薬が効果がでている論文だけ
を使って、標準薬を強く勧めることができる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■表5.標準薬を強く勧める説明
       アウトカム1 アウトカム2    アウトカム3
       効能1    副作用1      副作用2
       血圧低下  脳卒中      突然死  
論文名 症例 標準 新薬 標準    新薬 標準 新薬
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 A      ○  ○
 B              5/65 ×15/55     ×
 C             20/55 ×28/45  ×  ×
 D      ○      3/38 ×9/32 
 E 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
標準薬は、論文BCDにより脳卒中の副作用が少なく、
論文Dにより血圧低下の効能があり、
論文Bにより、突然死の副作用が少ないので
強く勧める。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

このように横に見ていくと、問題が起きてくる。論文ごとにアウトカムを選んで参考文献
をあげるのは問題がある。

そこでGRADE では、論文をならべて、アウトカム毎に、串刺しのように読む。メタ解析を
して、その信頼性が確からしいのかどうかを判断していく。ですので縦に論文をならべて、
それぞれのアウトカム毎に、串刺し図のように読む。アウトカム毎に統合した結果を読む。
GRADE のテーブルを作る資料を作成することと、その後に、診療ガイドラインの
パネル会議をしてガイドラインを作るという二つのプロセスがある。これは別々の人がや
ってもいいということになっている。海外ではなるべくシステマテックレビューは論文を
書いているような、大学のような機関に任せようということになっている。

■3.GRADE の長所と限界
・GRADE の長所は、国際的に共同して作成や評価ができる点がある。これによって比較が
 できるし、独りでやるよりも皆さんの財源を使ってできる。
・そしてエビデンスの質と推奨度を明確に分離している点。エビデンスレベルが低いとさ
 れても、強い推奨を出すことができる。または高いエビデンスレベルがあっても、弱い
 推奨を出すことができる。これが今までできなかった事。
・そして3つめに患者にとって重要なアウトカムは何かという、患者主体の視点に立って
 検討することができる。そしてパネル会議には必ず医療消費者の方を入れて議論し、
 医療消費者にもわかりやすく説明していく、説明責任につながっていく。
・4つ目はエビデンスの質の評価基準を明確化している。これには5つの要因がある。そ
 の基準を作っている。今までは研究デザインでしかみていなかったものを、しっかり中
 身まで見て、推定値の確からしさを検討していく。
・5つ目はエビデンスから推奨への移行プロセスを明確化している。こちらがパネル会議。
 そして、推奨書を作成するときに患者の価値観や好みも考慮している。医療消費者を入
 れてパネル会議をする。もちろん、最初のアウトカム設定のところでも、医療消費者を
 入れることができる。そして推奨度の解釈を明確化している。今まで推奨度の解釈はよ
 くわからなかったが、しっかり定義づけされている。

■では限界は何か?
・1つ目は、これは介入と治療に関して行われているので、予後や病因、リスクに関する
 疑問に対処していない。主に「治療と予防的な介入の効果をみているだけ」になる。
・2つ目は大義名分的な不明瞭に定義された一連の推奨事項に適用できない。エビデンス
 がないようなものに関してGRADE を適用していくのは非常に難しい。
 多くのガイドラインは、本当に検討が必要な事項だけをピックアップしてガイドライン
 を作り直している所が多い。本当にエビデンスがわからない所は、各臨床医の方に考え
 ていただくしかないので、そこがガイドラインとして必要なのか、そのガイドラインを
 出すことによって、本当に死亡率を下げることができるのか、影響する所だけをエッセ
 ンスをまとめて出す方が、医療の質の貢献になる。
・3つ目は、診断の研究は、エビデンスの質の判定基準の一部を改変する必要性が生じる。
 診断のレビューに関してのGRADE に関してはまた別のやり方が必要で、いま開発の途上
 にある。ただこれも徐々にできているので、論文がそろそろ発表されるのではないかと
 言われている。
・4つ目は、GRADE 適用対象外のステップについては、コクランなどに手引きを求める必
 要がある。他のものを参照する必要がある。コクランレビューやパネル会議後の推奨を
 モディファイ、デルファイ法を使うとか、GRADE 以外の他の手引きを求める必要がある。
・5つ目は、質判定の不一致を解消することを目的としたものではなく、その見解の不一
 致の本質的な理由を把握することを目的としている。


■4.GRADEの評価プロセス
まずシステマテックレビューをする。重要なのは網羅的な論文検索をすること。総説。
自分で検索して、MEDLINE でキーワードを入れてヒットしたもので、集めたエビデンスを
各論文と。コクランのシステマテックレビューでは、データベースを網羅的に検索する。
そしてデータベースごとに、キーワードを変えて、非常に大きな広い範囲で論文をとって
くる。特に日本の方が良く行っているのは、MEDLINE はPubMedを通して使うことができる
が、EMBASEというデータベースには、主にヨーロッパの論文が入っていて、MEDLINE には
収載されていない論文が多数入っている。EMBASEはデータベースに入っている期間が少な
いために、使われていないことが多い。

最強の3つのデータベースと呼ばれるものが、 MEDLINE、EMBASE、コクランのライブラリ
である。?http://jhes.umin.ac.jp/documents/3/report3.html
この3つで、ほとんどの重要なトライアル、RCT は網羅される。網羅的に検索している
システマテックレビューかどうかが非常に重要。

そして、疑問の定式機構と言われるPatient、Intervention、Control、Outcomeの4つの
リサーチクエスチョンをたてて、Outcomeを、重大、重要、重要でないに分けて、網羅的
にした検索の結果から、インクルードされる研究をアウトカム毎に評価して串刺しにする、
メタアナリシスをする。得られたメタアナリシスの結果から、RCT のエビデンスの質は、
Highからはじめ、観察研究はLowから始める。

グレードを下げる5要因は、@研究の限界、A結果の非一貫性、Bエビデンスの非直線性、
Cデータの不正確さ、D出版バイアスの5つ。

A結果の非一貫性は、リスコンバイアスという、系統的レビューで使う質の評価の項目を
見て決める。非一貫性は串刺し数がどのくらいひっせいがないかどうかを評価する。
Bエビデンスの非直線性は、直接にそのクリニカルクエスチョンの対象者を見ているのか
どうかで異なってくる。
Cデータの不正確さは、信頼区間がどのくらい狭いか広いか、これはサンプルサイズによ
るが、そこを評価する。
D出版バイアスは、発表されていない隠れた論文がないかどうか、ネガティブデータであ
るがゆえに出版されていない論文がないか調べる。それぞれについて、マイナス1、又は
マイナス2まで下げることができる。
-1.serious(likely)、-2.Very serious(likely)
下げた場合は、必ずその下げた理由を書いていく。この一つ一つについてどういう基準か
ということが細かく決められているので、それに準じて評価をしていく。

そして観察研究の場合は、「GRADE を上げる3要因」という復活性が残されている。これ
は、RCT の場合はつけない。観察研究の時のみ、例えば効果が非常に大きい場合、または
明らかな交絡因子があるので、本当は効果が高いのに低く見えている場合などはGRADE を
上げることができる。GRADE の特徴としては、観察研究でもエビデンスのレベルが高くな
る復活の可能性があることが、非常に以前とは違う動きになっている。

■エビデンスの質の評価
body of evidenceでは、エビデンスの質を4段階に評価する。これがエビデンスの質の評
価、GRADE のエビデンスのプロファイルの表を作るところまでになる。これを基に、
パネル会議で、エビデンスの質、利益/不利益のバランス、価値観や好み、コストや資源
の利用など、全部で4つの項目を基に推奨を出す。この推奨は2つのレベルしかない。強
い推奨を出すのか、弱い推奨を出すのか。又は、強く推奨しない、弱く推奨しないという
反対側もある。推奨というのは、エビデンスの質だけではなく、他のものを考慮してこの
4つで決める。

■ReVManとGRADEpro
ReVManというフリーソフトは系統的なレビューを作るためのソフト。ぜひ、皆さんご自分
で「ReVMan download」で検索してダウンロードしてみてください。
http://tech.cochrane.org/revman
MacでもWindows でも使用ができる。
これを用いて串刺し図を作り、それをGRADE profiler(グレードプロファイラ)に
エクスポートすることができる。エクスポートすると、非常に簡単に一瞬で表を作ること
ができる。GRADE で一番時間がかかるのは、系統的レビューを行うところ。網羅的に検索
して、その論文を1個1個チェックして、バイアスがあるかどうかを読み込んで、そして
評価するという、系統的レビューのプロセスが非常に時間がかかる。
もしそれが、コクランレビューで自分の Research Question(リサーチクエスチョン)が出
ていた場合は、非常にラッキーで、そのrevman(レブマン)のファイルをもらって、それを
GRADE profilerに入れて、さきほどの5段階の評価をするだけで、あっという間に評価で
きる。レビューさえあれば非常に簡単にできる。レビューを作るところまでが非常に大変。

■結論
・診療ガイドラインは、入手可能な最良なエビデンスに基づくべきである。
・意思決定や判断において透明性が鍵となる。
・GRADE アプローチ
 -simple、transparent、systematic

GRADE が望んでいることは、簡単に、これがシステマティックに行われていくこと。
コクランレビューもそうだが、1回ベースラインを作ってしまえば、あとはアップデート
だけしていけばいい。最初は時間がかかるが、その後10年後、20年後、ちょっとRCT がで
たら、自動的にグレーティングできるようなレベルまで行こうという方向性で考えている。

詳しくは、相原先生の教科書がAmazonで売られている。これは治療介入のみのGRADE だが、
非常に詳しく翻訳されてまとまっている。ぜひご覧ください。
また、GRADE のワークショップも東京で次回5月24日に行いますので、もし、参加され
たい方はぜひ参加していただけたらと思います。
http://ebm.umin.ne.jp/workshop.html
前回は、岡田先生と野々木先生が大雪の中、2月9日に来ていただきました。
ありがとうございました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

尚、これまでの参加メモ1〜8のまとめは、このあとの記事で投稿する予定です。
心肺蘇生の新ガイドラインG2015のトピックス
http://jemta.org/index_140501.html


posted by jemta at 16:38| 日記

2014年04月18日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ7 [なぜILCORはGRADEを導入したのか?]



本記事のURL
http://jemta.org/index_140418.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ6 [新生児]
http://jemta.org/index_140417.html
に続き、

教育講演:ガイドライン作成方法の潮流
「1.なぜILCOR はGRADE (グレード)システムを導入したのか?」のメモです。


尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。
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1.なぜILCOR はGRADE (グレード)システムを導入したのか?
  野々木宏(静岡県立総合病院)
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・よろしくお願いします。さきほどからGRADE (グレード)という言葉がでてきて、これは
 何だと思われたと思いますが、私たちもそうでした。さきほどの2015年の時にILCOR が
 GRADE を採用した際、GRADE とは何だろうと思いました。本来最初のセッションは十分
 時間をとっていましたので、たぶん時間があるだろうと思っていましたが大分遅れてい
 るので、私は短くしてその後の大田先生につなげたいと思います。

・GRADE とは何だろうと思った時に、日本の中で、国際的なGRADE のワーキンググループ
 に所属されている弘前の相原先生からテキストがでていることに驚いた。
 http://www.grade-jpn.com/
 そこで、相原先生にお願いをして、ILCOR がGRADE を導入したので勉強会をしたいので
 ぜひ私達に講義をしていただきたいと申し入れをした。しかし弘前から出てくるのが大
 変だとのことで、今日の大田先生を紹介いただいた。
・大田先生に2度3度と色々と教えていただいて、やっと私どもは概要がわかったので、
 後ほど太田先生にレクチャーをいただこうと思う。
・レビューに関してはさきほどからでているので、これ以上ILCOR が何故という説明は僕
 は要らないと思う。

・先ほどの低体温で、Randomized Study1編でこれほど左右されるかもしれない時に、今
 まで、RCT(Randomized Conrtrolled Trial;ランダム化比較試験)1編でガイドラインが
 引きずられる可能性があった。(RCT1編の報告で、Level1の勧告となっていた。)
・ところが、このGRADE を用いると、さきほどGabrielli 先生も仰った通り、アウトカム
 が重要だというところで、この1本に左右されるということが、恐らくなくなるだろう
 ということがGRADE を採用した大きな事だと思う。
・今までだと、論文を1編ずつを検討して、RCT があったり、メタ解析をやると、もう相
 当それでレベルがあがってしまう。ところが今回のこのGRADE を使うと、アウトカムの
 中に含まれている文献をすべてレビューをするわけなので、1編に引きずられることが
 ないところがGRADE の今回の大きな進歩だと思う。

・これはご存じの通り、ガイドライン2010の時のもので、このようなテーブルがあった。
 このスタディの中には、ここにRCT が入っている。結局このRCT に引きずられていた。
・今回それをなくそうということで、システムを導入した。今回はGRADE を使う。色んな
 アウトカムごとの評価が定まれば、その都度出していこうというのが今回の2015の特徴
 なので、おそらく2015年に間に合わないという恐れを、たぶんILCOR は思っていないの
 ではないかと私は思う。というのは、その都度出していこうということで、彼らはこれ
 をアイ・コスター(i-CoSTR?)と読んでいる。Web ベースでたぶん毎年毎年トピックスで
 出してくるのではないかと思う。
・あと負担の軽減と、GRADE を用いたことで、現在我々は、この作業をしている。GRADE
 は推奨しているのは、コクラン(Archibald Cochrane;コクラン共同計画の提唱者)
 ?http://en.wikipedia.org/wiki/Archie_Cochrane
 のレビューをそのまま使う。無料で誰でもダウンロードできる、このReview managerを
 使うとメタ分析が非常に容易になる。 
 ?http://tech.cochrane.org/revman/other-resources/gradepro/download
・いくつかの論文をアウトカム毎の評価をして、メタ分析をして、サマリーを作って、最
 終的にCoSTR に載せていくという形がとられる。今までの作業よりはずいぶん客観的な
 評価ができるようになるのではないかと思う。
・最終的にCoSTR を作るわけだが、最終的にこのように4段階の評価をする。
・これではGRADE とは何かというのがわからないと思うので、早速太田先生の方から、解
 説を賜りたいと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
教育講演:ガイドライン作成方法の潮流
「ガイドライン作成に役立つGRADEシステム」については、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ8
[ガイドライン作成に役立つGRADEシステム]
http://jemta.org/index_140430.html

posted by jemta at 17:12| 日記

2014年04月17日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ6 [新生児]



本記事のURL
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ5 [小児]
http://jemta.org/index_140415.html
に続き、

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点 [新生児]のメモです。

尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。

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6.新生児 田村正徳(埼玉医科大学)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・最初にお断りしておきますが、ILCOR と(秘密保持?)契約を結んでいない方もおられ
 るんじゃないかと聞かれたので、そうだと言うと「絶対余計なことをしゃべるな」(笑)
 と言われましたんで、非常にあいまいなことしか入っていません。ですのでPICO10を入
 れていません。期待されている方々には申し訳ありません。
・今日私が述べさせていただきますのは、Consensus 2010の時に新生児部門で、ずいぶん
 大きなカーブがありました。

・それまでは、生まれた時に赤ちゃんの胎便で羊水が混濁している時には、それを積極的
 に吸引しましょうということが2005年のガイドラインであったが、それがまずなくなっ
 た。
・生まれてすぐの赤ちゃんの皮膚の色は、SPO2が非常に低い所からだんだんあがってくる
 のであてにならない。ばっそく?をしめたり、きちんと測りながら評価することになっ
 ている。
・羊水が混濁している時も、気道内をルーチンに吸引する必要はないということがでたこ
 とに関しては、実はこれはやってはいけないということではなく、やったからといって、
 胎便吸引症候群(MAS) を防止できるエビデンスがないからということで、これが外され
 た。これに関して現在ILCOR のグループが中心になって、国際的な共同試験をやってお
 り、その結果によっては、ひょっとするとまた復活するかもしれない状況。

・それから、前回のCoSTR2010 で大きく変わったことの一つが、生まれてすぐの赤ちゃん
 の蘇生で、過剰な酸素投与は避けるという点。これは未熟児の網膜症については、昔か
 ら問題になっていたが、タームの赤ちゃんについても、神経学的にも、呼吸の誘発とい
 う点からも、色々問題があるということで、これも回避しなさいということ。これが大
 きく変わった点である。
・それに対して、2015年に向けて残されている問題は、もしこれを実施しようとすると、
 当然のことながら、パルスオキシメーターを分娩施設に全て用意しないといけないし、
 酸素ブレンダーも用意しないといけない。そのときの酸素のSPO2をつけなさいというの
 であるが、その時、どれくらいのSPO2をターゲットにすべきか、このあたりが実は課題
 として残っている。
・特に日本の場合は皆さんご存知のように、お産の半分くらいが病院ではなく、
 クリニックとか助産所などで行われている。当然そこには、小児科医がいないし、それ
 から、さきほどあげたパルスオキシメーターとか酸素ブレンダーがない状況。
・CoSTR が発表される前の2010年の段階と、昨年で、これは周産期センター、これは産科
 のクリニック、これは助産所であるが、ここに対してアンケート調査をした所、新しい
 CoSTR2010 がでて、助産所も70% くらいは用意できるところまでいっている。しかし、
 酸素ブレンダーとなると、周産期センターと言われている所でさえも、分娩室で用意さ
 れていない。助産所などではそれらは全く用意されていないこともわかった。

・そのような場合に、どういうふうにして、酸素の過剰投与を控えるかということが、
 実は今CoSTR2015 に向けて問題になっている。
・それにからめて、我々の研究グループでやっていることは、お金のかからない方法とし
 ては、自己膨張式のバックに酸素をつけて流すことである。これが一番お金のかからな
 い、100%酸素でない酸素を流すやりかた。これで酸素の流量と、新生児の場合は蘇生の
 時に1分間に40〜60回が推奨されているので、40〜60回の回数で、気道内圧も20〜35く
 らいが推奨されているので、そのあたりの圧と、酸素分量を組み合わせることによって、
 酸素ブレンダーがなくても、ある程度の酸素濃度を調節できないかと。
・実際に日本で使われている各種の自己膨張式のバックに、さきほどの手法を組み合わせ
 ることによって、それぞれのバックにおいて、流量がいくらで、換気回数がいくらで、
 吸気圧をどれくらいにしたらよいか、調査をして、データを出した。これを使えば、そ
 れぞれの施設で、ブレンダーがなくても吸入酸素濃度を調節できる。

・それから、どれくらいのサチュレーションをターゲットにするかについては、我々があ
 る会社と提携してパルスオキシメーターに蘇生を開始した時からのパルスオキシメーター
 の値がブレンドでひけるようになっている装置を使って、我々の施設で正常なタームの
 お産で、蘇生を必要としなかった子どもの酸素飽和度の生後10分間のデータを集積した。
 このデータが、標準的なターゲットとなるSPO2の指標を決めることに結びつくと思う。
 我々だけではなく、ILCOR に加盟している各国でターゲットとなるSPO2を議論するため
 に今、データを持ち寄っているところ。

・もうひとつ。CoSTR2010 の時は、Delayed Cord Clamping と言って、臍帯(さいたい)を
 結紮(けっさつ)するのを1分くらい待った方が、胎盤から赤ちゃんに十分血液がいって、
 赤ちゃんの循環動態が安定する、それから将来、貧血で輸血をする回数も減るので、臍
 帯の遅延結紮が推奨された。
 ?http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2011/01/post_dbd0.html
・これの問題点は、早産児の場合に、はたして遅延結紮に、メリットがあるのかどうか。
 それから特に蘇生を必要とする場合に、1分間蘇生を待って結紮を遅らせることは、危
 険ではないかとの議論がある。
・それに代わるものとして、これは、日本で始まった方法だが、臍帯血のMilking
 (ミルキング)といって、臍帯を30〜40cmくらいの所でクランプしたものをしごいて、時
 間がたたないうちに、できるだけ瞬時に胎盤から赤ちゃんの方に血液を輸血する方法が
 ある。
・これをすれば蘇生が必要な仮死の赤ちゃんでもDelayed Cord Clamping と同じ効果が得
 られるのではないか−−−。これがひとつの2015年に向けたトピックスになっている。
・これに関しては、今日も会場に来ておられる日本大学の細野先生が日本で多施設の共同
 研究をやっている。?http://www.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h24/19006B080.pdf
 ちょうど今データ集積が終わった所で、ミルキング群とコントロール群でそれぞれ100
 くらいのデータを得た。それで、今得られているデータに関しては、生まれた時の
 ヘモグロビンの値で有意にミルキングした方がいいという結果。このあと、輸血が必要
 になるか否か、循環動態については、これから解析していただく予定。

・最後に新生児領域においてはCoSTR2010 で中等度から重度の仮死に対して低体温療法が
 標準的な治療として推奨されるようになった。CoSTR2010の適用でよいのか、それから
 プラスアルファの治療法があるかが、今問題になっている。
・日本でもCoSTR2010 がでる前に我々が調査した所では、低体温療法をやる施設が全くな
 いような県も多かったが、昨年の調査では、そういうことが解消されている。一応日本
 でも、CoSTR が推奨するやり方が一般的になってきていることがわかっている。
・今、我々は登録事業をやっている。順調に低体温療法の登録症例がどんどん増えている。
 こういったものを分析することによって、CoSTR2010 で推奨した適用をもう少し広げる
 ことができるかもしれない。

・もう一つは、この低体温療法を行っても、実際に低体温療法を行ったことによって脳性
 麻痺を防げる患者は、9人から10人に1人ということになっている。つまり、あとの
 8人から9人くらいの子供は低体温療法だけでは脳性麻痺を防げないわけで、低体温療
 法と組み合わせた、プラスアルファの治療が重症仮死に対しては必要ではないか。
・これは我々がやっている動物実験だが、仮死のノーベルをつぐんで?、これに本人の
 骨髄から採ったステンドセル?を投与することによって、日数が2日とか3日とかたっ
 た後でも、そのような治療を加えることによって、脳性麻痺が軽減できるのではないか。

・この辺が、CoSTR2015 に向けての、今、新生児グループで話題になっているところ。
 以上です。どうもご静聴ありがとうございました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
教育講演:ガイドライン作成方法の潮流
「なぜILCORはGRADEを導入したのか?」については、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ7 [なぜILCORはGRADEを導入したのか?]
http://jemta.org/index_140418.html

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posted by jemta at 18:06| 日記

2014年04月15日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ5 [小児]

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ5 [小児]


本記事のURL
http://jemta.org/index_140415.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ4 [ACS]
http://jemta.org/index_140410.html
に続き、

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点 [小児]のメモです。

尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5.小児  新田雅彦(大阪医科大学)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・岡田先生、過言なご紹介ありがとうございます。本来でしたら都立小児総合医療センター
 の清水直樹がお話するはずでしたが、日本集中治療医学会のほうでシンポジウムをやっ
 ていますので私が今回代理で発表させていただきます。
・はじめにお断りしておきますが、私はタスクフォースではありません。清水先生にどう
 いうお話をすればよいか相談したら、「だいたいこうゆうことを話しておいたほうがい
 いんじゃない」と言われました。今日は、皆さんには10トピックスをお示しできませ
 んし、その次のトピックスもお示しできません。
・ただ私はこの前のWorksheet Authorをやり、JRC のガイドラインを作成した立場から、
 どちらかというと皆さんに近い立場でお話させていただきたと思います。

・これが、CoSTRの2010。 小児のワークシートとしては約60のトピックスがでた。最終的
 には56のワークシートが完成された。2010年のトピックスとしては、CPR 、除細動、
 挿管、薬剤、酸素傷害、低体温、ECMO CPR、MET(Medical Emergency Team)、
 敗血症性ショック(septic shock)、エスカンナ?など。
・このCoSTRからJRCのガイドラインができた。ガイドラインを作成していく上では流れが
 大事なので、その流れを基に次の2015年はどういう論点なのか、自分なりに考えてみた。
・これは2005年のガイドライン。この時は、骨子(骨組み)だけ。それが5年後にはJRC
 のガイドラインでは、肉付けされて、非常に厚い本になった。僕も通勤途中に持ち歩い
 ているが非常に重くて、肩が凝るほど。
・2005年から2010年のガイドラインで一番大きなトピックスは、救命の連鎖が変わったと
 いうことは皆さんご存知だと思う。今までは成人の救命の連鎖、小児の救命の連鎖、そ
 の2つが日本にはあった。新しいJRC のガイドラインでは、成人と小児の救命の連鎖を
 分け隔てなく、一つの救命の連鎖にした。これに関しては我々小児のグループは、非常
 に大きな提言をした。小児の心停止の事象は非常に少ない。その少ない事象のために、
 二つの救命の連鎖を作ることが本当に正しいことなのか。できるだけ大人と子供で隔て
 なくシンプルにするコンセプトが非常に大事だと考えた。小児で一番大事なものは予防
 だが、救命の連鎖を予防にしていただいて、大人も子供も一緒にしましょうと提言して、
 JRC の救命の連鎖ができた。
・2010年のJRC 以外の他の国のガイドラインはどうか?アメリカではまだ子供と大人を分
 けている。4つの鎖が5つになっている。ERC は2005年から2010年に関しては、ロゴは
 変わっていないが、小児に関しては必ず注釈がついている。日本だけが大人、子ども、
 隔てなく一つの救命の連鎖であることは、我々としては非常に誇るべきことだと思う。
・AHAにはこれ以外に、ACSの救命の連鎖、Stroke(脳卒中)の救命の連鎖と、鎖がたくさん
 あって、こんがらがるのではないかと僕はちょっと心配している。
・次のトピックスの論点を一つご覧ください。日本は、救命の連鎖のロゴをもっとカッコ
 よくできないかというのを論点にしていただきたいと思う。(笑)
・冗談はさておき、BLSから話していきたい。
・これは日本版のアルゴリズムで、2005年、2010年のもの。ここでは心停止の判断基準が
 変わった。CPR は胸骨圧迫から開始する。−−−「そんなことやってて本当にいいの?」
 僕は実際このガイドラインを作って、小児グループからひょっとして、ギロチンにかけ
 られるんじゃないかと危惧した。そんな想いの中、このアルゴリズムを作った。
・これはガイドラインからの引用だが、成人および小児のCPR で、2回の人工呼吸から開
 始するのではなく、30回の胸骨圧迫から始めた方がいいとするエビデンスはない。
・小児は呼吸原性なので、人工呼吸付きのCPR がいいということは皆さんご存知だと思う。
 これを実際に証明したのは、今回の演者である石見先生や後半である北村先生のLancet
 の論文 。呼吸原性の心停止に関してはCC-OnlyよりもCC+RBの方が5.5倍オッズがいい。
 ?http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43200521/
・小児のグループとしてはどういうことを考えるかというと、よくよくこの論文を見てみ
 ると、院外心停止のケースで、No-CPRよりも、CPR をしてもらった方が、オッズとして
 は3倍近く予後がよくなっている点がある。如何にCPR を実践してもらうかということ
 が小児においても大事だと思う。
・実際このシーケンスが変わったので、シーケンスが変わったあとで、どちらがいいのか、
 ということが恐らくこのトピックスの中に挙げられていると思う。
・清水先生からは10トピックを全く教えてもらっていない。今回の坂本先生、石見先生、
 野々木先生の講演は10トピックが最大のうりなので、教えてくれてもよかったかなと
 思っている。恐らく、CABのCPRとABCのCPRとどちらがいいのかといことも議論されてい
 ることだと思う。
・その次に胸骨圧迫のみのCPR について。まさにこのデータが示しているように、
 人工呼吸付のCPR の方がよいというのは結構だが、市民救助者で人工呼吸ができない時
 は、少なくとも胸骨圧迫のみのCPR を施行すべきである。これは小児の蘇生も同様。
 やはり、さきほど示したように市民救助者が如何にCPR をしてくれるかが大事。小児に
 おいても。さきほど石見先生がだされたが、これはAHA の戦略だが、僕らはAHA と相談
 したわけではないが、やはり如何に市民救助者がCPR をしていただくかを考えていかな
 くてはいけない。子どもにおいても、胸骨圧迫のみCPR の効果を考慮すべき。
・これは先ほどの論文だが、心原性の心停止に限れば、ほとんどCC+RB とCC-Only で変わ
 らない。
・これはCoSTRのCompression Only のCPR のknowledge gap を引用しているが、CC-Only
 のCPR が市民救助者にどれくらい効果があって、それがどれぐらい実践に、どういうふ
 うに予後に反映されているかという点が、次の問題点になる。

・以上BLS の話をしたが、次にALS の話をする。
・これは2005年、2010年のアルゴリズムのボックスだけをもってきたもの。ここで変わっ
 てくるのは、皆さんご存知のように、小児の除細動のエネルギーが変わった。しかし、
 除細動のエネルギーに関しては、現在のエビデンスでは適切かつ安全有効なエネルギー
 量はいまだに不明。
・この5年間に新しい論文がでていると思うが、それがこの図にどう反映されるかはまだ
 議論があるところ。
・このアルゴリズムのもうひとつの大きな違い。それは、一つ箱が大きくなっている。こ
 こは、集中治療学会の会員の皆さんが非常に得意とされる所だと思うが、心拍再開後の
 モニタリングと管理。これのそれぞれ一つ一つがトピックスになっていると思うが、特
 に吸入酸素濃度と体温管理に関しては、子どもにおいても、やはり一番大きなトピック
 スになっているようだ。
・蘇生後の吸入酸素濃度に関しては、今日の夕方、黒田先生からお話があると思う。
 2010年のガイドライン出版の時点では、まだ動物実験のレベルまでしかエビデンスがな
 かった。
・ところがガイドラインが出るか出ないかくらいの時点で、皆さんご存知のように、JAMA
 の論文がでた。?http://intmed.exblog.jp/page/424/
 蘇生後の高酸素血症は成人のICU においては、正常と比較して高酸素血症は院内死亡率
 リスクの増加と独立して相関している。
・それから約1年後、イギリスのグループが、小児においても、同じようなコホートの研
 究を行っている。小児においても低酸素血症のみならず、高酸素血症は死亡率の上昇に
 影響するという論文がでている。次のガイドラインは、小児においてもこのへんは非常
 に大きなトピックスになると思う。

・あとは低体温療法。
・低体温療法に関しては、新生児を除いて子どもにおいては、高体温は積極的に治療する
 べきであるというエビデンスはでている。小児においてはこの段階でもやはりエビデン
 スはなかった。それから5年たつが、これは2013年に出されたコクラン・レビュー。
 このレビューでも低体温を奨励や否定をするエビデンスはこの段階では全くない。
 低体温療法の導入を試みたこと自体、何のコントロールスタディが全くないので、ガイ
 ドラインで、本当にこんなこと言っていいのかとの議論がある。
・最近、成人領域では低体温と平常体温との効果があまりかわらないということもあるの
 で、一時、低体温の方に流れが向かっていたが、成人においても小児においても低体温
 に関してどうなのか、非常に注目したいところだと思う。
・あとは特殊な治療。まだ日本では、ECPRができる子どもの施設は限られている。これを
 次の日本のガイドラインではどのように活用していくのか。
・あとEIT 、MET 、CCRT。この件に関しても、どちらかというと、小児病院のデータが結
 構多くなっている。これを日本に関してどういうふうに導入するか、小児にとっても、
 考えていかねばならない。
・以上、簡単ですが、BLS 、ALS に関して僕の立場から見た論点を説明した。ありがとう
 ございました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
新生児については、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ6 [新生児]
http://jemta.org/index_140417.html

*追記
救命おかやまの第9回定時総会・記念講演会で
清水直樹先生(都立小児総合医療センター) の
小児の心肺蘇生に関する特別講演が予定されています。
2014年7月12日(土) 17:45-19:30
岡山プラザホテル 2F「吉備の間」
http://npo-ok.umin.jp/


posted by jemta at 17:24| 日記

2014年04月10日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ4 [ACS]



本記事のURL
http://jemta.org/index_140410.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ3 [EIT]
http://jemta.org/index_140404.html
に続き、

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点 [ACS]のメモです。
(急性冠症候群 ACS :acute coronary syndrome)

尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4.ACS   野々木宏(静岡県立総合病院)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ACSのタスクフォースを担当しています野々木です。よろしくおねがいします。
・2010年11月に、ILCORのCoSTRに沿ってAHA、JRC、ERCのガイドラインが同時に作られた。
・次回は2015年11月に予定されている。
・いままでのお話を聞いていると本当に間に合うのかと思われるかもしれないが、これか
 らの1年というのは、私たちは大変だと感じている。
・先ほど坂本先生から話された通り、JRCは2010年には英語版も作ってILCORのホームペー
 ジに掲載された。英語で各領域のものを作成した。本来はこれはアジア蘇生協議会RCA
 からでるべき内容だったが、JRCが率先して行った。
・2015年はRCA がどの程度、英語版のものを作るか、これから議論になる。それに応じて
 日本版を作る形になると思う。
・2010年に各タスクでは、ギャップという形で課題を残したものがあった。
・これはACS の領域のもの。
・残された課題の中から優先的に、皆で投票して、まず10個のPICOを選ぶ作業をした。
・その中で、ここに赤字で示したものが、今回議論になりそうなもので以下紹介する。
・例えばこれは日本でも課題になるが、救急隊員による12誘導心電図の判読、あるいは、
 伝送の話題。判読と伝送とコンピュータによる自動解析でどの方法がよいのかが課題。
・あとは再灌流療法を如何に時間を早くするか。今はPCI がかなりメインになっている。
 しかしPCI をやろうとすると相当の時間が必要になってくるので、それを行うための時
 間を短縮する作業が必要。この中には、血栓溶解療法も見直すべきという議論もある。
・それから、新しい薬物(血小板薬、抗凝固薬)を救急の場面でどう使うかの議論。
・これらは前回課題として残ったもので、それを優先的に検討しようとしている。
・時間経過については、2010年のJRC のガイドラインにもあったように、こういうことが
 2010年に謳われていているが、まだまだ解決していない状況がある。
 例えば、ACS を発症して、再灌流療法までの時間がかかりすぎるという状況がある。今
 勧告がでているのは発症から2時間以内であるが、これはほとんど達成できていない。
 2015に至っても、おそらくこれは課題として残ってくる。
・その中で、例えば救急隊接触からカテーテル治療までを90分以内にしなさいとの勧告を
 守ろうとすると、かなり、地域の救急システムを作り直す必要がある。
 その中にも12誘導心電図を救急隊が採って、それを何らかの方法で情報伝達することが
 謳われている。
・2010年と2015年の間の、2013年に各国のACS に関するガイドラインがでている。
 ILCOR、AHAのガイドラインを大きく参照することになる。ERC やヨーロッパ蘇生協議会
 以外のヨーロッパ心臓病学会(ESC:European Society of Cardiology)のガイドラインを
 参考にする。
・2013年のAHA のガイドラインでは、ST上昇型の心筋梗塞では、まずトリアージで、
 カテーテル治療が可能な病院を選択しなさいと勧告されている。そこでさきほどの話で
 接触からカテーテル治療まで90分以内にしなさいとの勧告がされているわけだが、例え
 ばトリアージできなくて、PCI ができない施設に行った時にどうするのか。ここは今回
 でてきたのが、PCI のできる病院に転送するときに、最初に搬送された病院から、次の
 転送先までの時間(door-inからdoor-out )を30分以内にしなさいという勧告。ここが
 時間が時間がかかりすぎている。
・そこから以降、2時間以内というデータがあるようで、ここが勧告されている。
・じゃあ、「これが間に合わない、30分以上かかりそう」な時にどうするか。その場合は
 30分以内に血栓溶解療法をしなさいという組み合わせが勧告されているので、
 ガイドラインでこのように勧告されたら、恐らく日本でも、見直す必要がある。
・GRADE システムについては、あとで大田先生の方から解説がある。今回この点が大きく
 変わってきた。ILCOR はこの作業がでてきたために、システムの改変にかなり作業が遅
 れていた。しかし、やっと完成したようなので、これから作業がスピードアップされる
 と思う。
・今回、ILCOR はGRADE を導入したと共に、個人の負担をできるだけ取ろうということで
 一つは このようにsearch strategy(文献検索)は、ライブラリアン(librarian: 専門的
 文献管理責任者?)がきちんと作って、タスクフォースで決めることになったので、ここ
 は個人の負担がとれてかつ、文献収集もライブラリアンがするので、ここでも若干負担
 がとれるという話になっている。
・ただ、各文献の評価は各Worksheet Authorに委ねられるので、そこは前回と負担は変わ
 らない。それからレビューをして、 コクランのレビュー(Archibald Cochraneによって
 提唱されたEBM に基づいたシステマティック・レビュー? )と全く同じような作業をす
 る。今回コクラン・レビューのような国際的に標準化されたレビューシステムを使う。
・それから推奨もGRADE に応じたものを使う。
・これはILCOR のACS のタスクフォースで、さきほどお話があった通り、各協議会から2
 名出ているが、ここに私がでている。それぞれのタスクに日本から必ず1名入っている。
・さきほどからでているように、トップ10のPICOが投票で選ばれている。
・さきほどお話した通り、前回2010年のギャップの課題があり、再灌流療法の方法と時間
 遅延をどうするか、ここだけでも再灌流療法の7つの課題があり、再灌流療法が一番大
 きな課題。
・それから、抗血栓薬と診断(プレホスピタルの12誘導心電図をどうするか)。
・次の10個のPICOも既に選ばれている。この中には、さきほどの抗凝固療法を救急の場面
 でどう使うか、或いは救急隊がこれを使うのか、使わないのかが議論されている。
・それから診断に関しては、12誘導心電図。先ほど話した通り、これをコンピュータの
 自動解析をするのか、或いは救急隊が判読するのか、或いは伝送して医師が診断するの
 か、これから議論される。
・ACS ガイドラインの論点のまとめとしては、発症から再灌流療法までを定義?するのが、
 2015年の大きなガイドラインの議論になりそう。その中のテーマとして、12誘導心電図
 をどうするのかという点と、カテーテル治療、血栓溶解療法がある。
・それから心拍再開後のケアの中に、低体温療法とともに、カテーテル治療の組み合わせ
 が、ACS のほうでも、検討される。
・それから抗血栓薬、適切な診断方法として新しいバイオマーカーとか、画像診断に、
 (これは全体に通じるが)GRADE システムを使用していく。
・以上がACS の報告。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
小児については、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ5 [小児]
http://jemta.org/index_140415.html


+
posted by jemta at 18:16| 日記

2014年04月04日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ3 [EIT]



本記事のURL
http://jemta.org/index_140404.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)
参加メモ2 [ALS]
http://jemta.org/index_140328.html
に続き、

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点 [EIT]のメモです。

尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
3.EIT   石見 拓(京都大学)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・さきほど坂本先生は「BLS はまだここまで」と言われましたが、もうそこまでいってい
 るのかとかとその進捗に驚いている。
・EITは、まず2012年10月にミーティングがありました。
・まず例示の意味で、座長の方で2つのトピックを選んでディスカッションをしている。
 Cardiac Arrest CenterとHigh Fidelity(忠実度の高い) Training?についてレビューア
 が評価した。
・G2010と同様にsimulation studyのアウトカムをどう評価するのか、枠組みを議論した。
 クリニカルでないアウトカムの重みづけをどうするのかを議論した。
・すべてのワークシートがPICO形式。PICOの決め方についてかなり議論している。
・EITの10個のトピックス。
 心停止センター、High Fidelity Training、蘇生システム測定など、曖昧な項目が多い
・10個のトピックスを具体的にどう決めるか? web上でタスクフォースのメンバーが投票
 し点数をつけて選ぶ。前回G2010の時はEITは30数個のトピックスが割り当てられている。
 今回もまず前回のトピックスの中から点数づけをした。34点をとった心停止センターが
 1番、High Fidelityが33点という形で10個が選ばれて、それぞれに担当のレビューアー
 が決められた。
・続けて2013年の4月にメルボルンで2回目のミィーティングがあった。ここでEIT に限ら
 ず全体のスケージュールの説明があった。昔からおられるモーンゴメリー(Montgomery?)
 先生が司会をされ、これまでの経過を説明され、今度は 7月のカナダであると説明され
 た。先ほど坂本先生が言われたように、少なくともカナダまでに、それぞれのグループ
 で、「10個のPICOを完成させる、レビューを一通り終わらせる」と言われていたと思う。
 次の20個のPICOもカナダまでには決めると言われていた。
・しかし、これは国際コンセンサスであるのに、我々がFly Meeting(急ぎ?/同時処理?の
 会議、立ち話的な情報交換?)(フライ会議)を実際行ったのは、2回しかないし、今度の
 カナダが3回目という状況で、今後の1年で会議が全くなくて、ほとんどの参加者はこ
 れで大丈夫かなと内心思っているのではないか。
・EITはこの1年間で、具体的な進捗が少なく、実際あまり進んでいない状況。
 10個のトピックは決まっているが残りの20個はほぼ議論が進んでいないのがEIT の現状
・ただ会うと色んな議論ができる。メルボルンでは、2つ目のトピックス:High Fidelity
 について議論ができた。そもそもこのHigh Fidelity という定義が何なのか?レビュー
 するには定義が大事。EIT のトピックスはほとんど、その定義づけが明確でないので、
 そもそも比較をするのが困難。アウトカムの評価が難しい。あとでグレーディングの説
 明があるかもしれないが、複数のアウトカムを同時に評価するので、アウトカムの重み
 づけが重要。EIT の場合はクリティカルなアウトカム(臨床転帰?)とシミュレーション
 でのアウトカムの重みづけが難しい。
・私が拙い英語で主張したのは「patient(患者)?のアウトカムとシミュレーションのアウ
 トカムのレベルを最初に一緒にしたらいいんじゃないか」との議論はよくないのではな
 いかという点。いくらEIT であってもクリティカルなアウトカムにより重きを置かない
 と、真実に近づかないんじゃないかとの議論をしている。その意味で、具体的な所に入
 る前の“プロセスの議論”が中心になっている。
・個人的な提案になるが、次の具体的なPICOを日本の皆さんにも相談していきたい。
 例えばEIT の中では、心肺蘇生をしてくれる人を増やすために、「市民に対しては少な
 くとも胸骨圧迫のみの心肺蘇生を活用していく」と日本版ガイドラインには書いてある。
 コミュニティに対する心肺蘇生の普及の方策に関しては、他のガイドラインではあまり
 言及されていないので、このような日本の進んだ所を伝えていって、次のコンセンサス
 作りを議論する必要がある。コミュニティーのCPR トレーニングの戦略。
・これはEIT のグループの中で紹介してみたが、まだまだトピックスとして取り上げても
 らえるかはわからないが、先ほどのBLS の中では胸骨圧迫のみの心肺蘇生と、人工呼吸
 付きがトップトピックスになっているとの紹介があった。BLS の心肺蘇生の手技として
 の比較ではなく、CPR トレーニングの戦略としての胸骨圧迫のみの心肺蘇生と、人工呼
 吸付きをどう位置づけるのか、EIT 特有の普及戦略としてトピックに入れるべきではな
 いかとの提案をしている。
・コミュニティの中でのアウトカムを最小にして、インターベンションをどうするかとい
 う話。具体的には、坂本班でついこのあいだ報告したもので、我々のグループで担当し
 たものがある。心肺蘇生をどこまで教えるか、ターゲットをはっきりしていない中で、
 このグループでは、「人口の16% で何かをすると物事がブレークスルーする」というこ
 とがあるので、短期間で地域の人口の16% 心肺蘇生を教えたらどうなるかという評価を
 している。
・この灰色の部分が従来の教え方。(この地域は従来の教え方でも他の地域より倍くらい
 教えている)それに上乗せする形で胸骨圧迫のみの心肺蘇生を短期間に教えていって、
 4年くらいかけて人口の16% に教えていったらどうなったかというと、バイスタンダー
 CPR の割合は変わらなかったが、実施者の中で良質なCPR が増えたという結果になった。
 これはついこの前、単純な結果をまとめただけなので、論文にして、EIT の重要なトピ
 ックとして取り上げていきたいと個人的に思っている。
・さらに提案したいこととしては、日本は世界で一番AED が普及していて、その結果、
 AED を使う上での課題が明らかになってきている。これは埼玉の小学生で、AED があっ
 た学校で心停止になったが現場にいた人が心停止と認識できずにAED が使われず、救命
 できなかった事例。こういう経験も恐らく日本が一番していると思う。
・そもそも救助者の心停止の認識がどうなのか。心停止を認識したら心肺蘇生を始めて
 AED を使うというプロセスではいけないのではないかという議論がある。こういうこと
 が課題であるとのコンセンサスが欲しい。日本の中で得られたものを積極的に提案して
 いきたい。いずれにしても心停止の認識について議論していく必要がある。
・このような国際コンセンサスだけではなく、特に教育普及の分野では、倫理的な国内特
 有な問題もある。具体的には、特に終末期関連で、前回2010年ガイドラインの中では、
 「わが国においては、救急蘇生の根本事項である蘇生の適用中止に関する国民的なコン
 センサスは存在しない」と書かれている。実は表に出る前にEIT のグループの中で膨大
 なレポートをまとめたが、これは重い課題であるし、全体としてのコンセンサスが得ら
 れないとガイドラインには載せられないだろうとのことで、大幅にカットされた。EIT
 グループの中では、今の段階では時期尚早だが、次回までにはしっかりとした国民的な
 議論をして充実させていきたいとの議論があった。これは全体に共有するが、もう2014
 年なので、急いで2015年のことを検討するチームを国内に立ち上げていきたい。チーム
 EIT として頑張りたいので皆さんぜひよろしくお願いします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ACSについては、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ4 [ACS]
http://jemta.org/index_140410.html

posted by jemta at 17:37| 日記

2014年03月28日

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ2 [ALS]



本記事のURL
http://jemta.org/index_140328.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。

前回投稿の
第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ1 [BLS]
http://jemta.org/index_140327.html
に続き、

トピックス:2015年ガイドライン作成での論点 [ALS]のメモです。

尚、以下は如是我聞の私のメモですので、信ぴょう性には欠けます。
(このALSの発表はプログラム上では2番目なので、本メモでも2番目に挙げましたが、
 当日は順序が変更され、ACS、小児、新生児の後で、トピックスの最後でした。)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2.ALS   相引眞幸(愛媛大学)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・さきほどの新生児の分野では、内容はできるだけ伏せるようにとのことだったが、ALS
 はそれほど厳格ではない。
・ILCORは1992年に心肺蘇生科学のFirstMeetingがあった。(AHA,ERC,HSFC,ARC,RCSA)
・JRCは1999/7/16に第1回の日本救急医療財団心肺蘇生法委員会が行われた。
 当時は旧厚生省も比較的協力的だったが途中で梯子を外されたという話も聞いている。
 結論としては、JRCは他の組織から独立して日本の代表者をILCORに派遣すべきとなった。
 2000年のILCORの会議に岡田会長がオブザーバーとして参加されたがILCORの会員となる
 にはJRCではダメだとのことで、RCAを立ち上げられた。
 2005年に日本、韓国、台湾、シンガポールの4か国で立ち上がった。
・RCAのILCORの正式加盟により、COSTORの内容を事前に知ることができるようになった。
 これは岡田先生のご尽力の賜物。又RCAの調印式では野口先生のご尽力があったと聞く。
 2010年のガイドラインはRCAの一員であるJRCが、独立に作ったという点で意義がある。
 今はRCAには、フィリピン、タイも入り、組織が大きくなった。
・ICLORのホームページ http://www.ilcor.org/ にはRCAも出ている。
 先ほどの新田先生の話にもあったが、(救命の連鎖において)小児と成人を一つにして、
 最初の任務を「心停止の予防」にしたことは、RCAの中では色んな議論があったが、
 JRCとしては誇るべきことであろう。プレホスピタルケアを含め、これはきわめて重要。
・来年の10月11月にはガイドラインを作らなくてはいけない。間に合うのかという感じ。
・昨年の4月にメルボルンで一般会議があった。今年は4月末から5月の初めまである。
・ALSはBLSより少し進んでいる感じ。インクルージョン(包摂)エクスクルージョン(排除)
 は終わって、そのまま行こうという感じ。
 Included Articleのアイエスアセスメントに入っている。
・私の担当は、ECPRとマニュアルCPRの比較。このPICOは坂本先生のグループで作成。
・J-PULSE-HYPO(心停止後に低体温32〜34℃療法を施行された患者の予後の追跡登録研究)
 が、resuscitation誌にアクセプトされた。これは必ずはいると思う。
 (注意:以下のリンクは本発言の論文か否か不明です。参考用)
 http://circ.ahajournals.org/cgi/content/meeting_abstract/122/21_MeetingAbstracts/A13937
・当初はIABP(補助循環装置)?の項目もあったが、IABPだけものが少なく、外している。
 今回は、ECPR vs マニュアルCPRということ。
・PICOで、問題は、Pending Search Strategy Developmentがまだ最初だということ。
・Morrison?のグループのバソプレッシンはPending COSTOR。
 draft developmentで一番進んでいる。
・我々と台湾のワンさんと一緒のものは、今はPending、full evidence reviewで評価中
・shockの領域でも、Lipid Therapyが非常に新しいトピックとしてでてきている。
・現在28個のPICOがある。それぞれに2-3人のタスクフォースが割り当てられ、評価中。
・来年の2月にダラスで、international consensus conferenceがある。
・2015年の10月11月にCOSTORが発行される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

EITについては、このあとの記事で投稿する予定です。

第7回日本蘇生科学シンポジウム(J-ReSS)参加メモ3 [EIT]
http://jemta.org/index_140404.html


posted by jemta at 16:42| 日記