2007年12月23日

善意による救助と法的な責任

こんにちは。JEMTA日本救命協会の久我です。
救命の法的関係について、以前調べたものをアップします。

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善意に法的責任なし          毎日新聞1994年(平成6年)6月7日

『事故の第三者が応急手当をしたことで被害者の容体が悪化しても第三者は
法的責任を問われない−−−。総務庁の「交通事故現場における市民による
応急手当促進方策委員会」(座長・川合健 創価大学教授)は、6日現行法の
免責制度を明確にし、この周知徹底を求める報告書をまとめた。また応急手当
をした第三者が血液感染など二次災害に巻き込まれた場合について、補償範囲
の拡大や十分な補償金の支払いなど制度改善を求めた。』
http://www.kotobuki-p.co.jp/espoir/tenkai/index1.htm
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「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」の概要

    自治省消防庁救急救助課プレホスピタルケア 7:3 14号 83-86, 1994

この報告書の内容は法律関係、補償関係等多岐にわたり検討がなされており、
今後のプレホスピタル・ケアの充実、特にバイスタンターによる応急手当の
普及について考えるうえで、貴重な文献なるものと思われる。


民事
救命手当は、基本的には法的に義務のない第三者が他人に対して心肺蘇生法等
を実施する関係であることから、民法第3編第3章「事務管理」
(第697条〜702条)に該当する(従って、不法行為責任は発生しない)。
また、特に被災者の身体に対する「急迫の危害」をのがれさせるために実施す
る関係であることから、第698条の「緊急事務管理」になると考えられる。
従って、法律的には悪意または重過失がなければ救命手当の実施者が被災者等
から責任を問われることはない。
重過失とは、失火責任に関してではあるが「通常人に要求される程度の相当の
注意をしなくても、わずかの注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見
することができた場合であるのに、漫然とこれを見すごしたような、ほとんど
故意に近い著しい注意欠如の状態」
(最高裁昭和32年7月9日判決民集11巻7号1203頁)とされているため、実際上、
善意で実施した救命手当の結果について民事的に責任を問われることは、まず
ないと考えられる。

刑事
 一般人が行う救命手当は、一般的に社会的相当行為として違法性が阻却
されると思われるが、一般人の救命手当に過失が認められる場合には、医師の
治療行為に過失が認められる時に業務上過失致死傷罪が成立し得るのと同様に、
過失傷害罪、過失致死罪、重過失致死罪が成立し得る。
ところで、過失の有無は個々の具体的事例に応じて判断されるところから、
救命手当実施者に要求される注意義務が尽くされていれば、過失犯は成立
しない。またその注意義務の程度は、医師に要求される注意義務のそれより
低いものであろう。

法制定や法改正
救命手当が実施されるほとんどの場合は緊急事務管理と理解されるため、
民事上免責さる範囲は事実上かなり広く、実施者がその結果について、万一
容態が重篤化した場合であっても、法的責任を問われることはまずないと
考えられる。その意味で実施者は、責任問題を気にしないで勇気をもって
救命手当に臨める法律環境にあると言える。

万一、重篤化等により責任を追及されることがあった場合、実施者において
緊急事務管理であることを立証しなければならない負担を負っていることも
課題である。その意味では救命手当の普及促進について現行法が直接的に
作用を及ぼすものではない。

しかし、現状においては、現行法の緊急事務管理によってほとんどのケースを
カバーでき、免責の範囲はかなり広いので、上記のような指摘は、将来的な
課題として、補償関係等も含め、引き続き慎重に検討する必要がある。しかし、
現時点では新たな法制定や法改正までは必要がなく、現行法における免責制度
を周知させることに力点が置かれる必要がある。
http://aeml.umin.ac.jp/data/phc/kasumi/kasumi07_3.html
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ドクターコールに応じた医師の法的責任           2007. 5. 10

【日経メディカル5月号特集連動企画◆「ドクターコール」に応じますか?】

飛行機や新幹線の中での救助要請のドクターコールに対し、多くの医師が不安
を抱いていることが分かった。ドクターコールがあった際、
「応じるか分からない」が5割で、経験者のうち2割強が「二度と応じたくない」
と回答した。
医師の抱く最大の疑問は、「法的責任は?」「どんな患者が多いか?」
「どんな薬品・機器が搭載されているか?」――だった。その3大疑問に順次
答えていく。
(新規会員登録すれば、だれでも記事の全文を見ることができます。)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200705/503175.html
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■JAL日本航空 機内搭載救急品 
 ドクターズキット 蘇生キット AED自動体外型除細動器 常備薬
  http://www.jal.co.jp/jalpri/equipment/firstaid.html
 搭載医療品・医薬品
  http://www.jal.co.jp/health/medicines/
 安全への取り組み
  http://www.jal.com/ja/safety/emergency/emergency1.html
■ANA全日空 機内搭載の医薬・医療品 AED(除細動器)
 ドクターズキット レサシテーションキット
  http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/lounge/hard/hard2/yakuhin.html
 MedLink 24時間機内医療体制 米国アリゾナ州フェニックスMedAire社
  http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/lounge/hard/hard2/24hour.html
 AED(FR2)
  https://www.medical.philips.co.jp/community/voice/ana/inforward_ana_05.php
■航空機内救急医療(法的な問題点を含めて)
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/circle/00/k414gaku.html
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AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会
URL : http://jemta.org/
e-mail: kuga@ailabo.net
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岡山市・岡山県・中国地方でAHAのBLSヘルスケアプロバイダーコースを開催
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posted by jemta at 12:25| 日記