2017年08月20日

労作性(重症V度)熱中症のファーストエイドと初期治療:冷水浸漬法(CWI法)



FirstAid for Exertional Heat Stroke(EHS). Cool(Ice tub) First,Transport Second.
本記事のURL
http://jemta.org/index_170820.html
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こんにちは。
AHA岡山BLS・JEMTA日本救命協会の久我です。
お盆休みも終わって、来週からは、仕事開始ですね。

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■[1]はじめに
米国のボストン近くのファルマスという港町で、今日8月20日に11km マラソン大会が開催
されます。1万人以上が参加するロードレースです。平均気温は23℃、湿度70%です。
距離が短く、参加者が頑張るため、毎年平均15人くらいの労作性熱中症の傷病者がでます。
深部体温が40℃を越えた時間が15〜30分続くと生存率は50%しかありません。一刻も早く
冷やす必要があります。ファルマスロードレースでは、1984年から 18年間で合計274名の
熱中症患者がでていますが、1人の死亡者もでていません。救命率は100%です。
その理由は、米国スポーツ医学会(ACSM)、全米アスレティック・トレーナーズ協会(NATA)
が推奨するCWI(Cold Water Immersion) を実施しているからです。

図1.ファルマス・ロードレース


医療テント内には、予め、多数の浴槽と氷が用意され、傷病者に中枢神経障害があり、熱
中症の疑いがある場合には直腸温を測定し、40℃を超えていればCWIを実施し、水温10℃
の浴槽に10分〜15分ほど浸漬します。0.22℃/分の冷却速度で冷却され、直腸温が 38.8℃
になれば浴槽から出します。倒れてから約2分以内にCWIは実施されており、治療実施者の
93%は、病院に行くことなく、現場の医療テントからそのまま帰宅できています。

過去50〜100年前までは、熱中症傷病者に冷水浸漬(CWI)はよくないと誤解されてきました。
急に冷やされると、傷病者が嫌がるのではないか、末梢血管収縮(PVC)と震えのために冷え
ないのではないか(Currie response) 、という誤解です。
しかしこのファルマスロードレースでは、冷水/氷水浸漬による急速冷却が、卒倒後数分
以内に実施されれば救命できることが実証されています。
正常な人が冷水浸漬された場合と、高体温の人が浸漬された場合の生体の反応は違います。
高体温の冷水浸漬では、震えは観測されず、傷病者からの低温に対するクレームはなかっ
たそうです。
深部体温を30分以内に40℃未満に下げることが、EHS労作性熱中症治療の第一の目標です。
"Cool first, Transport second"(冷却第一、輸送はそのあと)のスローガンは強く推奨さ
れています。

AHAのFAガイドライン
では「できれば顎まで冷水につからせる(G2010,S964) 」と推奨され
ています。
Heat Emergencies
The most important action by a first aid provider for a victim of heat stroke is
to begin immediate cooling, preferably by immersing the victim up to the chin in
cold water.
日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2015
でも「病院に搬送する前に水槽に浸漬させ
る(水温2℃で9分浸漬の事例を紹介)P13」を推奨しています。
日本医師会発行の国際マラソン医学協会医療救護マニュアルP83
にも、ファルマスのよ
うな方法が具体的に示されています。

日本はAEDのPAD導入が欧米に比較して10年以上遅れました。熱中症の分野においても米国
の方が10年程以上、進んでいるのではないかと思います。
救急医@ER/ICU氏のブログ「対熱中症 総力戦」
https://ameblo.jp/doctorhero/entry-11312235241.html
以下の動画は削除されましたが、Dr林先生も氷水でのクーリングは厳禁と言われていまし
た。(熱中症と脱水)
https://www.youtube.com/watch?v=G8_g1BNclHA

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文献:冷水浸水:演習熱中症治療のゴールドスタンダード
Exerc Sport Sci Rev. 2007 Jul;35(3):141-9.
Casa DJ,et al.,Cold Water Immersion: The Gold Standard for Exertional Heatstroke Treatment
http://journals.lww.com/acsm-essr/Fulltext/2007/07000/Cold_Water_Immersion__The_Gold_Standard_for.9.aspx
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ファルマス ロードレース大会で労作性重症熱中症に対するCWI冷水浸漬の治療結果
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24983342
Demartini,Casa et al.,Med Sci Sports Exerc. 2015 Feb;47(2):240-5    (カ)
Effectiveness of Cold Water Immersion in the Treatment of Exertional Heat Stroke at the Falmouth Road Race
・米国ボストンから、車で90分のファルマス(緯度は函館と同じ)で毎年開催されるマラソン
・8月開催(18回の大会の平均気温23.3℃、湿度70%)、毎回1万人(プロ/アマ)参加。
・(1984-2011)18年分のマラソン大会を解析。
・距離が11kmと短く、ランナーは早く走るため、熱中症が多い。2.1人/完走者千人
・合計274例の労作性重症熱中症。平均15人/大会。テント治療の40%が熱中症。平均15歳
・事前に、CWI用の冷水浴槽を医療テント内に準備(温度10℃、容量190L)。
・直腸温が40℃以上で重症熱中症と判断。すぐにCWI(冷水浸漬)を実施。
・浸漬中は、2分毎に直腸温、HR、BPを測定
・直腸温が38.8℃以下になったら、CWIを中止
・重症熱中症患者の生存率100%、93%はテントから帰宅できた。
・平均冷却速度は0.22℃/minを記録でき、この値は性別、年齢、初期直腸温度と無関係
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■[1-2]熱中症の分類

◆l熱中症の発生原因による分類では、以下の2つに分けることができます。
労作性 :運動や作業で自ら産生した熱と環境熱によるもの(Exertional Heat Stroke)
非労作性:環境熱によるもの(Passive Heat Stroke)

◆熱中症の重症度分類は、例えばAHAのファーストエイド(国際分類)では、
@熱失神(heat syncope)熱痙攣(heat cramps):入院の必要なし。冷却し・水分補給する。
A熱疲労(heat exhaustion):病院に行くべき。体温調整機能あり。汗はかいている。
B熱中症(heat stroke):集中治療が必要。体温調整機能破綻。汗はかかない。
の3つに分けており、日本救急医学会のガイドラインでは、上記をT度、U度、V度に分
類しています。

この投稿では、労作性の重症V度熱中症の現場でのファーストエイドと初期治療について
述べます。
労作性熱中症の定義は、深部体温が40.5℃以上と定義されます。低ナトリウム血症も考え
られ、高体温を放置すると体温調整機能が破綻し、サイトカインが活性化され、全身が炎
症をおこし、多臓器不全を起こし、死亡します。

本投稿を書こうと思った淵源は、2013年8月8日11時20分に、京都府宇治市内で気温32℃を
超える中で行われていたアメフト部の練習試合で、3年生の男子部員(17)が熱中症で倒れ
亡くなってしまった事故にあります。
http://www.sports-parents-japan.com/stopaccident/highschoolfootballheat/

この男子高校生の体温は43℃で、現場でもアイスパックを使った応急手当がされていたか
もしれませんし、病院での治療の結果38℃まで下がったとのことですが、(公開されてい
る情報だけから判断するのは誤りがあるの可能性があるとは思いますが)要するに、体温
を下げる速度が低く、高体温の状態が長く続いたからではないかと思いました。もちろん、
倒れる前の「試合をする判断」自体に問題があると思いますが、ファーストエイド的にみ
ると、米国のように科学的根拠に基づいて、適切に熱中症の初期治療をしていれば、もし
かしたら、助かったのではないかと、非常に残念に感じていました。初めは自分自身もよ
くわかっていなかったと思いますが、ファーストエイドのガイドラインを読んでいて気づ
きました。

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■[1-3]労作性熱中症の生存率
スポーツ中や野外の作業中などで、深部体温が40℃を超えて倒れた場合に、助かるかどう
かは、何℃まで体温が上がったかではなく、40℃を超えた状態(Critical Temp.)が何分続
いたかによります。
以下のグラフは、熱中症関連の記述によくあるグラフです。


図2.熱中症の生存率 http://jap.physiology.org/content/42/6/809

深部体温40℃を超える状態が20分以上続くと生存率は5割以下になり、50分以上続くと2割
以下になります。日本の場合は、救急車を呼んで病院に収容されるまでの時間は約40分か
かっています。初めから、倒れないように予防することが最も大事ですが、倒れてから病
院に運んでいても助かる可能性は低いです。心室細動で卒倒した場合に現場で AEDを使う
応急手当と同じで、現場でのファーストエイドが最も大事です。
図2では、臨界高温が15〜30分続いた時の生存率は50ですが、これを中間の22.5分での救命
率が50としてプロットし直したのが次の図3です。


図3.心室細動と労作性熱中症の救命率

心室細動の場合は、10分何もしないとほぼその場で亡くなります。10分間で予後が決まり
ます。但し労作性熱中症の場合は、倒れてすぐ救急車を呼んでも、日本の場合、病院に着
くまでに40分くらいかかります。普通は、電話するまでにももっと時間はかかるはずです。
この見積もりでは40分で、救命率は3割です。病院に運んでから冷やしても間に合いません。
しかも心室細動ではその場で結果がでるのに対して、熱中症の場合は倒れてから、1時間
の処置で予後は決まるのですが、すぐには亡くなりません。通常亡くなるのは半日から、
1週間後です。ですので適切な初期治療がされたか否かが、評価されにくいのです。

「Cool First!! Transport Second!.」です。
具体的には、深部体温が40.5℃以上なら、氷風呂(2〜13℃)に浸漬させ、倒れてから 30分
以内に体温を39℃まで下げる必要があります。
日本医師会発行、国際マラソン医学協会医療救護マニュアル P81労作性熱中症チャート

以下は、ファルマス・ロードレースでの冷水浸漬のデータです。

図4.ファルマス・ロードレースでその有効性が実証されたCWI(冷水浸漬)  (カ)
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■[2]体温測定(直腸温度/口腔温度/腋窩温度)
恒温動物は体温を一定に保っていますが、3次元空間的には温度の分布があります。


図5.ヒトの体内温度分布

温度を測る部位によっては、値が違っています。

図6.測定場所ごとの正常な体温範囲(SureTemp Plus 690/692マニュアルより)

■[2-2]腋窩/口腔体温では深部体温を測れない
以下のグラフは、体内に直腸温度計を入れて、マラソンした時の温度変化です。

図7.奥本先生が計測されたマラソン走行時の直腸温(名桜大学広報P13)

以下のグラフは、運動した時の直腸温および口腔・腋窩温を同時に測定した事例です。

図8.運動中の直腸温および口腔・腋窩温の比較
(図中に挿入した温度計は論文に記述されている製品ではなく、一例です。)

見て分かる通り、直腸温はあがっていますが、口腔・腋窩温は変化がありません。つまり
『口腔・腋窩温で測定して、その値に何度か足すと直腸温になる』という推測は一切なり
たちません。熱中症の診断には、必ず、直腸温を測る必要があります。逆に言うと、誤解
を与えるので、口腔・腋窩温を測っても意味がなく、測るべきではありません、。

2002 National Athletic Trainers' Association 声明
「ATCは、運動中および運動後の体内温度の不正確で非効果的な測定値であるため、
運動者の口腔、鼓膜、腋の下の温度に依存してはならない」
皮膚の温度、汗の蒸発、体液の摂取、および風の影響を受ける可能性があるため、
正確性についての疑義が生じる。


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■[3]直腸温測定のための温度計

以下に温度計の一例を示します。

図9.直腸温が測れる温度計の例

◆ER(救急外来)の例
@フクダ電子 生体情報モニターHBP-2070/2071 \960,000
http://www.fukuda.co.jp/colin/products/basic/103.html
@日機装サーモ(株) 体腔挿入型温度プローブ YSI-401J 
http://www.nktherm.com/products/tm_probes/400_700series.html
@日機装サーモ(株) ゴムカバーの装着方法
http://www.nktherm.com/img/latex_cover.pdf
ラテックスアレルギーに注意
https://ameblo.jp/doctorhero/entry-11588579600.html
◆乾電池式なので、持ち運び使用可
Aテルモファイナー CTM-303 \99,000
http://www.terumo.co.jp/medical/equipment/me95.html
◆手軽な廉価版
Bテルモ電子体温計C405 (口中,直腸用)Amazon¥2,916
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B008KZIGEO/
C数字医療温度計(口中,直腸) Amazon¥2,280
https://www.amazon.co.jp/dp/B07125HKKC/
◆個人輸入で入手できる温度計
DWelch Allyn SureTemp Model690 ebay32,031円
http://www.sekaimon.com/us/75075/Thermometers/192190946966/
http://goo.gl/Z8Jg5q
Dカバー ebay3,041円
http://www.sekaimon.com/us/75075/Thermometers/252665982333/
◆その他の直腸温度計
E日機装サーモ(株)(8ch)データ収集型ハンディタイプ温度計N543
直腸温プローブITP010-11(先端球5mmφ、チューブ3.5mmφ長さ25cm、ケーブル長2m)
http://www.nktherm.com/products/meters/n540-datalogger.html
F3M ベアーハガー深部温モニタリングシステム
http://goo.gl/FwzhJf
 この温度計が熱中症に対応し普及すれば直腸温を測らなくてもすむかも。
Gグラム(株) 2ch高精度温度計LT-2 Amazon82,620円+直腸温センサーLT-2N-11 24,840円
http://gram-corp.co.jp/product_f/product_f0.html
H[膀胱温測定]導尿用(温度センサー付)膀胱留置カテーテル[YSI-400準拠]
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/780045/780045_221ADBZX00098000_B_01_02.pdf
J安立計器 温度計 HD-1100E ¥48,600 (合計64,800〜)
http://www.anritsu-meter.co.jp/instrument/ha/ha-100.htm
K安立計器 温度センサー1600E-TS3-ASP(全長3m)16,200円〜 3mmφ,10cm長シリコンゴム
http://www.anritsu-meter.co.jp/sensor/sp/tc1600.htm

◆滑りをよくするために挿入部分の先にあらかじめ塗っておく
Lワセリン Amazon¥411
https://www.amazon.co.jp/dp/B000FQUJM8/
◆氷風呂の温度測定用(注意!直腸温ではありません。)
M隔測(かくそく)式温度計(プローブ+レシーバ式)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01C2QUDSS/
https://www.amazon.co.jp/dp/B00E01RB8Y/

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■[3-2]直腸温の測り方
ERやICU 以外の医療現場で直腸温を測ることはあまりないと思います。看護師さんも学校
で実習した記憶はあまりないと思いますし、実際に1回も経験されたことのない方もおら
れました。ただし、膀胱カテーテルの留置や浣腸についてはほとんど経験があるのではな
いかと思います。温度プローブを肛門から直腸に入れるには、浣腸のやり方が参考になる
と思います。注意すべきことは、過去、グリセリン浣腸実施に伴う直腸穿孔の医療事故が
起きており、起立したまま行ったり、挿入の時に抵抗があった場合にそのまま入れてしま
うと、穴があく危険性があります。
http://www.med-safe.jp/pdf/report_2012_3_R002.pdf
また直腸には痛みを感じる神経がないため、せん孔になっても出血するだけで、その時点
では痛みを感じないので、わかりにくいです。
Casa先生が書かれた献では、直腸温の測定は医師がすべきと書かれたものがありましたが、
競技や大会を主催する側は、どの医師でもいいというわけではなく、経験のある人に依頼
するべきだと思います。それぞれ専門があります。例えば医師の3割は AEDをうまく使え
るか否かわからないとのアンケート結果もあります。



図10.直腸温の測り方(参考図:浣腸の取扱い)

但し、図10では足の曲げ方が少し不十分ではないかと思います。起立に近い状態だと、
直腸と肛門がなす角度が直角に近いので、直線に近づけるためには、ひざをぐっと曲げた
スクワッド姿勢の方が温度センサーを入れやすいと思います。


図11.座位とスクワッド姿勢の時の直腸肛門角

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フランスや北米では、直腸温を市民が測っている国があるそうですが、日本では一般的で
はありません。普及品の温度計では、肛門部分しか入らないので、正確に測れないと思い
ます。看護師さん用のサイトを見ると、温度プローブは肛門から 6cm入れると書いてあり
ます。しかし、Casa先生が書かれた論文をはじめ、私が今回見た論文は和洋共、肛門から
10〜12cm入れていました。
直腸の長さは20cmくらいです。直腸は便の貯蔵庫であり、骨格との関係もあるかもしれま
せんが、簡単に外にでないように、管がくねっているのではないかと思います。挿入直線
路から見ると、ヒダが3つでており、10cm 入れるためには、すくなくとも2つのヒダを越
える必要があります。

医療用温度プローブとしては、例えばYSI400等ですが、全長3m程度で、先の温度センサー
の部分も、フレキシブルで柔らかく、電線のコードのように、楽に曲がります。バルーン
アートの細長い風船のようなゴムカバーを温度センサーにつけ、滑りやすいように、白色
ワセリンを塗って事前準備をします。傷病者の羞恥心に最大に配慮して(バスタオル等?)
左側臥位でなってもらい、口呼吸をしてもらうということは、一般的な注意点だと思いま
す。どこまで挿入するかわかるようにしておきます。挿入を始めて抵抗を感じたら、その
まま無理に入れようとせず、一旦引き戻して、方向の再調整が必要です。温度プローブを
留置してから、温度を読み取るまでは時間がかかりますので、マニュアルに従います。
中枢神経障害があり、40℃を越えて熱中症と判断された場合は、冷水につけますが、浸漬
中もずっと温度をモニターし、38.8℃以下になったら浴槽から出します。



図12.直腸の構造と直腸温プローブの挿入


■[3-3]医師法と直腸検温
医師法第17条,歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)
医師、看護師等の医療に関する免許を有しない者が行うこと
http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000g3ig-att/2r9852000000iiut.pdf
・直腸検温を医療者以外が反復継続の意思を持って行えば、医師法違反の恐れがあり。
(逆に言えば、反復継続の意思がなく、臨機応変の手当てとすれば医師法違反にはないが
 測定の時に腸を傷つけたり、救助行為によって被害がでれば傷害罪の恐れもあり)
・上記の通知によれば、市販の使い捨て浣腸器で、6cm までいれることは医師法には反し
 ないことになっています。医療行為とそれ以外を分ける理由は、「その行為によって、
 誤ったやり方をすると重大な損傷を与える可能性があるから」ということであれば、
 管を入れるのは、浣腸も直腸検温も同じであり、直腸検温は薬物を入れるわけではない
 ので、温度プローブを6cm 入れるのは医師法違反にはならないかもしれません。しかし
 日本では直腸温検温が一般的でないため、どうなのかは裁判官の判断によると思います。


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[4]熱中症の生理

熱中症の生理については、以下の論文の内容を示します。
Journal of Emergency Medical Services
Identification and Treatment of Exertional Heat Stroke in the Prehospital Setting
http://goo.gl/K2eqij

労作性熱中症(EHS)の病態生理学は、骨格筋収縮および環境因子を介した熱収量の割合が
熱損失のそれを超えるときに、物理的に発揮している個体において起こるという点で、
非労作性熱卒中とは根本的に異なる。
細胞レベルでは、臨界閾値(>40.8℃)を超える過剰な熱は、膜脂質の変性および液化を引
き起こし、脳症、横紋筋融解および肝臓および腎不全を含む多臓器機能不全をもたらす。
この損傷は、不可逆性になり、温熱療法が迅速にされなければ、最終的に致命的となる。
十分に訓練された選手は熱馴化の保護効果により、40.6℃を超える中核温度に耐えること
ができ、心血管のひずみを減少させ、直腸温を低下させる。熱性または胃腸疾患、薬物使
用(例えば、利尿薬、特定の精神医学的薬物療法、喘息薬)および肥満のような既存の状
態は、EHSを発症するリスクが高くなる。
研究により、多臓器不全は、熱細胞傷害性、凝固障害および内毒素媒介性全身性炎症反応
の複合効果に起因することが示唆されている。高体温に対する最初の心血管応答は末梢血
管の拡張であり、皮膚への血流を増加させて蒸発冷却を最大にする。これは、内臓の血流
の減少によって増強される。この血液は末梢循環に分流されて全身血圧を維持し、熱損失
に寄与する。

しかしながら、脾臓血流の長期的な減少は、虚血環境をもたらし、胃腸管へのニトロソ化
および酸化ストレスをもたらし、その後、循環および腸のバリア機能不全を引き起こす。
腸はますます透過性になり、腸内細菌は全身循環に漏れる。増加したサイトカインレベル
と結合したこのエンドトキシン血症は、激しい熱ストレスの間に訓練を受けた者および訓
練されていない者の両方で起こり、敗血症性ショックの間に見られるもののEHS を反映す
る炎症プロファイルになる。
EHS が進行するにつれて、播種された血管内凝固セットおよび複雑な細胞応答カスケード
は凝固経路を活性化し、過度のフィブリン沈着および血小板凝集を引き起こし、微小血管
血栓を引き起こす。これらの血栓は、末梢組織への虚血性損傷を引き起こし、最終的な器
官の機能不全、そして最終的には機能不全をもたらす。血小板および凝固蛋白質の消費量
は最終的には生産量を上回り、過剰な出血のリスクが高まる。これは、致命的なEHS で観
察されている胸膜、角膜、および腸間膜出血を説明する。
脳への直接的な熱傷害はまた、変化した意識レベル、発汗メカニズムの喪失、および制限
された瞳孔を含む中枢神経系の異常を導く。胃腸系と同様に、血液脳関門の完全性は失わ
れ、浸透性の増加は脳浮腫、昏睡、そして最終的には不可逆的な脳損傷および死をもたら
す。これらの生理学的変化は急速に進行する。動物モデルでは、死亡率の増加は直腸温で
はなく高体温の持続時間に関連していた。

即座に冷却すると、身体はこの鋭い損傷からほとんど回復することができます。しかし、
40.8℃の細胞の臨界閾値を超える長期間の高体温は、不可逆的な臓器損傷および又は死を
もたらす可能性がある。

高熱患者は、温熱患者と比較して正常体温の異なる温度調節反応を示す。
冷水中での突然の浸漬の副作用として、
「急速な交感神経反応のために心臓不整脈および心臓血管ショック、突然の血管収縮」等
が懸念されているが、これらの副作用(徐脈、末梢血管収縮、および中核血流)を経験する
ことは見出されなかった。
正常体温者は、PVC とシバリング(震え)を介して体温を守りますが、体温が高い人はこ
れらの反応を鈍らせて急速に冷やします。(温度が急激に低下するのと同様に CWIに従う)。
PVCとシバリングはある程度発生する可能性があるが、CWIの重度の温熱患者に見られる急
速な冷却は、CWIの間に中心的な応答が最初は正常体温者とは全く異なることを示している。


図13.高体温の傷病者と正常体温の人を冷水に浸漬させた時の体温変化の比較
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自分の体温が正常な時に、冷水に入ると体は震えその産生した熱で体温を保とうとします。
しかし、自分の体温が高体温の場合、前者とは反応が違い、シバリングは現れず、体はそ
の冷却を受け入れます。
人の体はよくできています。熱中症とは違う領域ですが、例えば心停止の時に胸骨圧迫す
ると、通常は体全体に流れる血流が、脳や心臓等の中心部位に流れるようになるそうです
(文献)。JRCの岡田和夫元会長はこれを神の摂理と言われていました。
(救命おかやま特別講演2013/6/29近代蘇生法の確立1960年から2015ガイドラインまでの道)
熱中症の時の冷水浸漬の際も、この「神の摂理」が働くのではないかと思います。

最後に、この手法の問題として、他の高体温の合併症を管理するためのCWI 中の不適切な
アクセスが挙げられます。心臓モニタリングおよびIV流体投与は、CWI 中に首尾よく行う
ことができる。CWI使用経験のある者は、挿管の発生率を<1%、嘔吐<10%、発作<5%、お
よび闘争的態度15-20%と推定している。これらの合併症を管理している間は、高熱状態に
起因することが多いため、冷却を停止してはなりません。

大部分の患者は、提示時には頻拍性であるが、全てが低血圧ではないが、生命徴候は典型
的には高体温の解決後に正常化する。病院前の環境では、IVアクセスはほとんど必要とさ
れず、熱ストレスによって脱水が促進され、EHS患者は IV液の恩恵を受けることがありま
すが、これは救急部への輸送が必要な患者にのみ必要です。ほとんどの患者は、CWI の後
にオンサイト治療から直接放出され得る。
現場でのCWIは100%の生存率で安全かつ効果的であることが示されています。

EHS のリスクが補足的治療のリスクまたは不都合をはるかに上回る緊急事態です。酸素お
よび静脈内投与は、浸漬中でも可能である。 口と腕に簡単にアクセスできます。
自動体外式除細動器(AED) の潜在的な使用はより大きな懸念事項である。幸いにも、積極
的な冷却によって急速に治療されるEHSを持つ運動選手は、AEDを必要とする心臓血管の問
題を有することはまれである。

直腸温度計が利用できず、臨床シナリオがEHSを強力に示唆している場合は、CWIを開始す
ることを推奨します。病院前の環境におけるこれらの取り組みの終点は、大部分の患者に
十分な冷却をもたらすので、震えの開始、または15〜20分の冷却のいずれかでなければな
りません。
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[5]冷却の手法



図14.種々の冷却方法による冷却速度

米国の数多くの州のEMS プロトコルでは、患者を扇状にしたり、窓を開けたり、脇の下、
頸部、鼠径部に冷たいパックを貼るなどの効果的な冷却方法の使用を推奨しています。
しかし、これらの方法は、上記の図を見れば効果が低すぎることがわかります。
ケミカルコールドパック(CCP) は冷却後の冷却速度が遅く、冷却の主要な方法として使用
すべきではありません。CCPを使用して直腸直腸温41.44℃のEHS患者を治療する場合、
Falmouth Road Raceで見られた平均値で、38.9℃の目標温度に達するまでに70分以上かか
ります。

深部体温を30分以内に40℃未満に下げることが、 EHS労作性熱中症治療の第一目標です。
例えば、初期温度が43℃の傷病者を30分以内に40℃未満に下げるには少なくとも、
43℃−(0.10℃/分)*30分=40℃
ですので、冷却速度>0.10℃/分の冷却方法を使う必要があります。図14だと少なくとも赤
色の縦線より、右側にある冷却手法であれば、この目標を満足します。
図14は、幾つかの実験を寄せ合わせなので、実験の違いによる矛盾も少しあります。しか
し、脇の下や鼠蹊部に氷を入れるような応急処置では、冷水浸漬の効果の2割以下であり
全く不十分です。
一方、ファルマスロードレースでは、38.8℃未満を目標に、水温10℃の浴槽に浸漬させ、
冷却速度0.22℃/分で、浸漬時間20分未満で、救命率100を達成しています。


又、冷水浸漬CWIは、以下の日経メディカル記事で紹介されている救急処置室の方法より、
3倍以上の効果があります。
重症熱中症患者を救う新冷却法(カテーテルやジェルパッドで体温を迅速に下げる)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201508/543357.html

図15.冷水浸漬CWI vs サーモガイドシステム/アークティック・サンの比較


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以下にバスタブ浸漬の例を示します。
温度センサーと温度計本体が分離している隔測式温度計で、直腸温をモニターしています。

図16.バスタブ冷水浸漬の例 CWI(Cold Water Immersion)
http://www.nata.org/sites/default/files/HeatIllnessOverview.pdf

冷水浸漬の動画は以下で見れます。
浴槽に入れる前、傷病者の体から、直腸温の温度センサーのコードがでているのがわかり
ます。長いバスタオルを傷病者の胸から両脇を通して、後ろ側の浴槽の縁で押さえていま
すが、これは傷病者が溺れないようにするためです。
UTC GATP (Ice Water Immersion and Taco Method)

https://www.youtube.com/watch?v=sFocmPvWm80

(Casa先生も出演されています。)
Preventing Sudden Death in Sport

https://www.youtube.com/watch?v=KzerHULhZ64

New Technique to Cool Down Athletes(アスリートを冷やす新しい技術)

https://www.youtube.com/watch?v=NQgVbbrtUpM&t=9s


尚、冷水浸漬により、40℃から正常温に戻るまでの時間は、
2℃の冷水で10分、8℃で15分かかります。


図17.水温と冷水浸漬の深部体温の時間変化

出典:図17./図18.
Effect of water temperature on cooling efficiency during hyperthermia in humans
http://jap.physiology.org/content/jap/94/4/1317.full.pdf


冷水に浸漬させると、深部体温が正常値まで下がるのには時間がかかります。この時、
表面の温度は10℃程度になります。これくらいまで下がらないと深部を正常にできません。



図18.水温と冷水浸漬の表面温度の時間変化
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[6]重症熱中症のファーストエイド/初期治療の具体例



図19.冷水浸漬のための機材例
重症V度熱中症(熱射病)患者に対する応急手当(初期治療)のシミュレーション例
*リソースの予算を見積もるために、価格の例も入れています。

予め準備しておく器材例
■ビニールエアー浴槽¥7,380  梱包サイズ:35x30x12cm3.7kg(使い捨て使用)
TheChoice 折り畳み式 PVC エアー浴槽 浴槽 AC100Vエアーポンプ付(空気入れの時間要)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N74RPBE/
別案:子供用プール ¥1,279 大人が足を延ばして居れる
https://www.amazon.co.jp/dp/B000OV0X48

■冷凍庫198L ¥43,468円 NORFROST ノーフロスト チェストフリーザー 198L JH198CR
庫内寸法(mm)605×395×665=159Lリットル
(クラッシュアイス(47×31×21cm)は、3箱入るハズ)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0088WS1G2/

■ストレッチャー
緑十字 救い帯 \3,163
https://www.amazon.co.jp/dp/B00COZMK0M/
アズワンNW-S ストレッチャー \3,015
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MDT87NV/

■クラッシュ氷 2s×6袋×4箱=48kg ¥10,560円 クール便(関東〜九州)送料無料
1箱[2s×6袋(12kg)]で2,640円。4箱(48kg)で10560円。 
https://www.hyohan.com/crash/164.html
1個47×31×21cm 3個47×31×63 4個47×31×84cm=122リットル

合計¥67,586
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■[6-2]必要な氷の計算
下記に計算例を示します。
結論としては、上記の浴槽の場合は、
・浴槽に水を6割入れ(水152L(底から24cm高さ))
・-20℃の氷を2箱(21kg)
入れるとファルマスと同じ10℃の浴槽を作れます。

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■2℃の水を作る場合
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(水の初期温度24℃とし、氷の温度は冷凍庫の温度-20℃とする。)
24℃で、浴槽を200Lとし、その水200000gの水が失う熱量は
Q1=200000*4.19*(24-2)=18436000 [J]

48kgで、-20℃の氷が0℃になるのに必要な熱量は
Q2=48000*2.085*20=2001600 [J]

48kgで、0℃の氷が0℃の水になるために必要な熱量は
Q3=48000*333.5=16008000 [J]

溶けた48kgの氷から出来た水がt℃の水になるために必要な熱量
Q4=48000*4.19*2=402240 [J]

Q1 =18436000 [J]
Q2+Q3+Q4=18411840 [J]

人の体は60kgとし、頭の体積は7%なので、首から下は56リットル。
200L+48L+56L=304L
浴槽は260Lなので、9割だと230L。(200+48)*0.7+56=230なので、結局
この浴槽に満杯の9割の2℃の冷水を作るには、
●水140L(底から22cm高さ)と-20℃の氷34kgが必要

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■10℃の水を作る場合
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上記の同じに計算すると氷は28kgで、
Q1=11732000 [J]
Q2+Q3+Q4=11678800 [J]
でほぼ釣り合う。200L+28L+56L=284。(200+28)*0.76+56=230
この浴槽に満杯の9割の10℃の冷水を作るには、
●水152L(底から24cm高さ)と-20℃の氷21kg
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■[6-3]使い方
運動熱中症患者のための冷水浸漬を実施するための実践ガイドライン。
(The Gold Standard for Exertional Heatstroke Treatmentより)
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1. 最初の応答。
  激しい熱中症が疑われる場合は、患者を冷やして
  緊急医療サービス(EMS)に連絡する準備をします。

2. 氷水浸漬の準備。
  畑や一時的な医療用テントでは、水や氷で満たした水槽や水槽に半分を満たして下さい
 (緊急の前に、水源を調べて水槽にどれくらいの時間で水が入るか確認して下さい)。
  a。 貯蔵タンクは、イベントの前に氷と冷たい水で満たされてもよい
    (または、水槽と水槽との間に3-4クーラーの氷が満たされていて、
    その日の間に桶が寒くならないようにする)。
  b。 氷は常に水の表面を覆う必要があります。
  c。 アスリートが運動訓練室の近くで倒れた場合、
    ジェットバスや冷水シャワーを使用することができます。

3. バイタルサインの決定。
  熱中症患者に没頭する直前に、生命徴候を起こしてください。
  a。 直腸サーミスタを用いて中核体温を評価する。
  b。 気道、呼吸、脈拍、血圧を点検する。
  c。 中枢神経系の機能不全のレベルを評価する。

4. 氷水浸漬を開始する。
  アスリートを氷水浸漬槽に入れる。
  医療従事者、ボランティア、およびチームメイトが、円滑で安全な入退室を支援する
  ために必要な場合があります。

5. 全身のカバレッジ。
  冷却しながらできるだけ多くの体を氷水で覆う。
  a。 コンテナのために全身をカバーすることができない場合は、できるだけ胴を覆う。
  b。 アスリートの頭と首を水の上に保つために、
    助手は、胸や腕の下に包まれたタオルまたはシートで腋窩下に傷病者を抱きつけ
    てもよい。

6. 水の循環
  冷却中、水と皮膚の温度勾配を増加させるために連続的に循環させなければならない。
  助手が冷却中に水を旋回させる。

7. 継続的な医療評価。
  バイタルサインは定期的に監視する必要があります。
  a。 アスリートが戦闘になった場合に助手が近くに立つのが役に立ちます。
  b。 他のアシスタントは、嘔吐が起きた場合に、アスリートを持ち上げたり、転がした
    りする必要があります。

8. 静脈内投与。
  医療従事者がいる場合は、水分補給と心臓血管機能のサポートのために、
  静脈内投与をすることができます。
  a。 水浸漬槽の側面に腕を置きます。

9. 冷却時間。
  患者の直腸温が39℃に下がるまで冷却を続ける。
  a。直腸温度を測定できず、冷水浸漬が指示された場合は、
   10-15分間冷やしてから医療施設に搬送してください。
  b。あまり効果的でない冷却様式が投与された場合、
   25-45分間冷やしてから、医療施設に輸送してください。

10. 患者の搬送。
  直腸温が39℃に達した後にのみ浸漬槽から患者を取り出し、できるだけ早く EMS経由
  で最寄りの医療施設に移す。
   a。冷却は輸送前の第一の目標でなければならない。
    EMSまたは病院に氷水浸漬で冷却する設備がない場合は、
    現場で安全な直腸温に冷却を続けてください。

11. 高度な医療サポート。
  輸送中、直腸温度計により体温を連続的に監視することができます。
   a。アスリートが病院に到着すると、検査やその他の治療は、高体温の結果生じる問
    題に対処します。
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■[6-4]バスタブがないときの代替方法(タコス法:Taco Method)


図20.タコス法によるCWI(冷水浸漬)
救急隊でPA連携している場合は、シートと氷さえ用意すれば、ポンプ車の水を使って、
タコス法は実現可能ではないでしょうか?

タコ法の実演動画 UTC GATP (Ice Water Immersion and Taco Method)
https://youtu.be/sFocmPvWm80?t=1m13s

■[6-4]バスタブもブルーシートもない時(氷水バスタオルによる代替)
CWIがない場合、氷水に浸したタオルを傷病者の皮膚全身にあてます。
1分あたり0.11℃の冷却速度で効果的だがゆっくりとした代替物が得られます。
タオルは、背中を含む身体の最大部分をカバーし、数分ごとに交換する必要があります。

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他の参考文献
【Sayuriさんのブログ】スポーツ中の熱中症対策、できてますか?
Exertional Heat Strokeについて考える。
 http://innervate.exblog.jp/24438239/
Falmouth Road Raceから熱射病ケアを学ぶ
 http://www.chainon.me/falmouth-road-race/
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免責事項:尚、臨床に適用する場合は、本記事を鵜呑みにすることなく、独立して調査し、
ご自身の責任と判断で行って下さい。

以上です。



posted by jemta at 17:36| 日記